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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

オリックスのキャンプ地で感じた、選手とサポート役の関係性

 

現役投手のボールを受けるオリックス別府修作ブルペンコーチ。右手にはカウンターと投球数の確認も欠かさない


 キャンプで汗を流す選手たちを追いかけながら、ふと周りを見渡すと、オリックスのドラ1左腕・田嶋大樹が発したキャンプ初日の感想を思い出した。

「グラウンドの整備だったり、練習着のクリーニングだったり、バックアップしていただいている方がたくさんいる。いろいろな方に支えられている。それだけ野球に集中できるような環境がある。恩返しというか、結果で返せるようにやっていきたい」

 球場内にはグラウンドキーパーがファウルグラウンドに待機し、ベンチ裏にはネットやボール、打撃マシンを運ぶ人の姿も。駐車場には、警備員が早朝から練習終了の夕方までファンの方たちを誘導している。

 多数の選手が一斉に、それも効率良くメニューを消化できるのも、こうした支えがあるからだ。

 当然、コーチ陣も、そのサポート役の1人。ブルペンでは、今年55歳を迎える大ベテラン・別府修作ブルペンコーチも選手とともに汗を流し、開幕に向けた調整、そして技術向上の助けになっていた。

 同コーチは「(ボールと)受けている人数は1日2人くらい。そんな大したことではないですよ」と笑うが、「ややシュート回転しているな」「ちょっと体が開いているぞ」と、ときにジャスチャーを交えてアドバイスも送り、若手投手陣からの信頼も厚い。
 
 有望若手がひしめく今季のオリックス投手陣。期待も大きいはず。水を向けてみると「まだまだ。毎年、もっと(良い若手が)出てきてほしいと思っていますよ」とゲキを飛ばすが、それも親心から。続けて口を開き「でも今年は楽しみだね」と優しい笑顔を見せた。
 
 ボールを受けながら球数を数え、立ち上がっては幾度も返球を投じ続ける。その運動量はコーチの域にとどまらない。そんな人たちのためにも優勝を誓う選手たち。決してキャンプだけに限った話ではないが、キャンプ地では、選手に活力を与えるサポート役との関係性も透けて見えてきた。

文・写真=鶴田成秀
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