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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画113】『特集 物議を醸した監督たちの発言』【1960年6月8日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

対談は『司令長官の胸の中』


表紙は大洋・桑田武


 今回は『1960年6月8日号』。定価は30円だ。巻頭特集は『物議をかもした監督たちの発言』。3人の監督の発言を起点とした話が紹介されている。

 まずは大洋・三原脩監督。自打線を抑え込んだ投手に対し、いつも「こんどは打ち崩してみせるよ」と宣言。ほぼそのとおりになるという話だ。

 理由について三原監督自身は何も言わないが、森球団社長は「三原君はなぜ打てなかったかをゆっくり考える。そしてこうすれば打てるという方法を引っ張り出すんだ。長年の経験、そして素晴らしい勘、思ったことを選手に実行させる貫録が次の成功を招くんだ」と説明している。

 2つめは東映・岩本義行監督の「高野は酷使じゃない」。60年に32試合に投げ9勝12敗をマークした20歳の高野一彦だ。この数字だけ見ると、さほどではないと思うかもしれないが、実はほぼ序盤の登板。この時点では、まさに連戦連投で徐々に打ち込まれるシーンが目立っていた。岩本監督は「酷使では」の声に「とんでもない。19や20歳で3日も4日も間を置くのは愚の骨頂だ。それこそ早く老け込む原因ではなかろうか」と言っているが……。

 3つめは水原茂監督の「社長令嬢と結婚するな」。ナインが、いわゆる逆玉状態で結婚すると守りに入って覇気がなくなるから、というのが理由。当時、野球選手の年俸はいまほど高くなかった。

 12球団週間報告の南海ページでは、「名人守備大沢の秘密」。外野守備の名手・大沢昌芳(のち啓二)である。大胆なポジショニングからの神技のようなプレーが前年の日本シリーズで話題となった男だ。

「わしの場合、勘が80パーセントくらい。間違ったことはない。ただ、わしが自慢できることは、ただプレーを忠実にやっていることや。その日の風の方向、試合内容、得点差の開いている場合と1点を争う場合で守備位置は変わってくる。ピッチャーのスピードのある日、ない日でも違う。それを忠実に守っているだけや。自分としてはファインプレーをしたとは思っていない」

 対談は『司令長官の胸の中』。パで優勝争いを演じていた大毎・西本幸雄監督、南海・鶴岡一人監督の登場だ。西本監督は首位を走る要因を「ピッチャー、バッター、精神的なバランスが取れていること」と分析している。奇抜な言葉を探したが、マジメな受け答えのみ。

 なお、以下は宣伝です。しばらく、まったく同じ文を掲載します。

 現在、週刊ベース60周年企画として「週べでつづる12球団史」を制作中。第1弾は3月14日発売予定の巨人編です。

では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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