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林昌範コラム

元DeNA・林昌範 ベイスターズ、20年ぶりリーグ優勝のキーマンは三上朋也

 

ブルペンでも緊張した素振りを見せない強心臓右腕


リリーフ陣の柱として期待がかかる三上(写真=BBM)


 みなさん、こんにちは。昨季限りでプロ野球の世界を現役引退した林昌範です。連載企画3回目の今回は「20年ぶりのリーグ優勝を目指すDeNAのキーマン」について書かせていただきます。

 僕はDeNAに2012年から6年間在籍しました。最後の2年間は左肩痛の影響などもあり、一軍で投げられなかったのが心残りです。ファンの方にも本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、チームが年々力をつけていることはすごく感じました。昨年は阪神広島とのクライマックスリーズも勝ち抜いて日本シリーズに進出。自分自身は力になれなかった悔しさはありましたが、今年はリーグ優勝を狙える強さを兼ね備えていると思います。

 先発陣が石田健大今永昇太濱口遥大に新人の東克樹投手が加わって「左腕王国」と注目を集めていますが、僕が優勝へのキーマンとして注目するのは三上朋也です。先発に左腕が多くなると予想される中で貴重になってくるのが右のワンポイント。三上や加賀繁の役回りは重要です。

 1球が命取りになる状況で求められるのは精神的な強さです。三上が頼もしいのはこの部分です。彼が新人のときから一緒にプレーしていましたが、ブルペンでもまったく緊張を表に出さない。登板前に「この投手を準備させてほしい」とベンチからブルペンに連絡がくるんですが、この電話が鳴ると「おれか…」と投手はみんなビクビクする。各球場の電話音はまだ覚えています。目覚まし音にすれば一発で起きるぐらいです。

 僕はブルペンで緊張のあまり、毎回吐きそうになっていました。抑えの山崎康晃も登板前の準備から自分の世界に入り、口数が少なくなります。それが普通なんですよね。

 ただ、三上は違うんです。登板前も普通にほかの投手と会話するし、まったく緊張した素振りを見せない。マウンドに上がってもピンチで平然と初球からど真ん中に投げ込む。打たれても次の日は全く引きずらず平然としている。これはすごいことなんです。

 彼の特徴は上からでもサイドからでも思いっきり腕を振って初球からストライクゾーンに投げ込めること。昨年は勝負どころで痛打される場面もあり、納得した成績ではなかったと思いますが良い勉強になったと思います。選手会長でもありますし、飄々としていますが責任感は強い男です。今年もピンチで平然と抑える姿を見たいですね。

元DeNA・林昌範(写真=ココカラネクスト編集部)


記事提供=ココカラネクスト編集部
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