週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

指揮官期待の楽天・下妻貴寛は本当の妻になれるか

 

楽天下妻貴寛は本当の妻になれるか

雨が降る中、打撃投手を努める梨田監督


「いまは人を褒めることで精いっぱいだからね」。そう言って笑いながらも、若手の台頭に満足そうな表情を浮かべていたのは、梨田昌孝監督だ。

 2月21日、韓国・ハンファ戦(金武)の9回に起死回生の同点3ランを放った下妻貴寛のことだ。「今のところうちのホームラン王だから(練習試合で2本目)。打が成長してきた」と、23歳の伸び盛りの奮闘に目を細めていた。

 チームの正捕手の座には長く嶋基宏が君臨しており、第2捕手の台頭が待たれるところだ。昨季49試合出場の足立祐一が最も近い位置におり、高卒3年目の堀内謙伍も一軍キャンプでアピールを続けている。そんな中、負けじと猛アピールしたのが同6年目の下妻だった。

「練習が終わってから、自主練でコツコツティー打撃をやってきた成果が出た」と下妻は振り返る。だが、キャッチャーは守れないといけないと自覚している。自身の持ち味は「投手を引っ張ってしい合いを作ること」だという。「正捕手争いは厳しいけど、生き残れるように。与えられるチャンスはそうはないと思うので、そこでしっかり結果を出したい」と決意を固めている。

「この1球」をファウルにしないことを、オフのテーマとしてきた。「昨秋から飛距離を伸ばすことを意識して、しっかり振ることを続けてきた。それが実戦で出せて、1球で仕留められたことはよかった」と下妻。だが、サバイバルは続くため、満足そうな表情は一切なかった。

「下妻が本妻になれるか、楽しみだね」。さっそく下妻の名前を使ってダジャレを披露した指揮官。同じ捕手出身だけに、見極める目は厳しいものとなるが、開幕一軍争いへ気になる存在に浮上したことは確かだ。

文=富田 庸 写真=上野弘明
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング