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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

プロ2年目へ。迷うことなく突き進むオリックス・山岡泰輔

 

今春キャンプではチーム最遅となる2月7日にブルペン入りし、新球『タテのカットボール』も修得中。昨季の経験を生かし、2年目に挑む


 先発ローテを守り抜き、17年のパ・リーグ新人最多最多となる8勝をマーク。だが、掲げた投球回150イニングには2/3回届かず。開幕投手候補にも名が挙がり、さらなる飛躍が期待されるオリックスの2年目右腕・山岡泰輔は、プロ1年目を終えて何を感じ、何を得たのか。昨季を振り返り、右腕は端的に話す。

「プロは結果の世界。勝てば評価されるし、1失点で好投して負けても『惜しかったね』とは言われない。そういう世界だと実感しました」

 ならば、初先発から6試合、自身に勝ちがつかなかった5月末までの開幕から約2カ月は、悩みも生まれたのではないか。そう問うと、こんな答えが返ってきた。

「野球をしてきてカベに当たったことはないんです。『あの挫折があって、それを乗り越えたから今の自分がいる』という話をされる方もいます。確かに何かを乗り越えたときは、強くなれるかもしれない。でも、僕はこれを乗り越えたと言えるものがなくてもいいんです。だってカベに当たらないように練習しているんですから」

 振り返る時間があれば次に進む。右腕の言葉には、そんな思いが込めている。続けて発した言葉からも、そう感じとれた。

「それに先発ローテに入ると、悩んだり、反省している時間はない。次の登板に向けて準備しないといけないですし、相手も変わるので」

 ただ、経験をムダにすることはない。今春キャンプでのブルペン入りは、チーム最遅となる2月7日。与えられたメニューをこなすのではなく、自らの状態を把握し、昨キャンプの経験を基に、そして開幕を見据えて調整。「パ・リーグには左の好打者が多い。ヨコの変化球には対応されやすいし、タテのスライダーでは曲がりが大き過ぎる。だから小さいタテ変化のボールを覚えたかった」と、自主トレからは新球『タテのカットボール』を習得に着手と、進化を止めない。

「昨年、(投球回)150イニングに届かなかったからといって、そこを目指すことはありません。今年は160、170イニング投げることが求められると思う。1年目と同じ目標を掲げていてはダメ。今年はチームの優勝に貢献できるように2ケタ勝ちたい」

 カベに当たらぬために――。それは、すなわち1年目に痛感した「結果の世界」で結果を残すため。プロ2年も、迷うことなく突き進む。

文=鶴田成秀 写真=榎本郁也
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