週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

開幕投手争いの超ダークホース!? 日本ハム・堀瑞輝への期待

 

2年目の大ブレークの予感が漂う日本ハムの堀


 日本ハムのアリゾナ、沖縄でのキャンプ期間中に記者や関係者の間で、連日のように聞かれたのは「今年は堀瑞輝がいい」という声だった。

 プロ2年目を迎えるサウスポー。2月28日の台湾・ラミゴとの国際交流試合(札幌ドーム)でも9回からマウンドに上がり、堂々のさばきで打者3人をわずか7球で仕留めた。ストレートのスピードは140キロ中盤だが、しなやかな腕の振りから繰り出されるボールは手元で驚くほど伸び、ラミゴのバッターたちも「最後に投げた投手は、打てるボールがなかった」と完敗を認めたほどだ。

 まだ一軍でも4試合登板だけとほとんど実績はないが、その才能に惚れ込んでいるのは侍ジャパンの稲葉篤紀監督。3月3日、4日に開催されたオーストラリアとの強化試合でも最年少でメンバーに選出された。昨年11月のアジアチャンピオンシップ(U-24侍ジャパン)にも選ばれたが、今回はフル代表にも異例の抜擢となった。その裏には2020年の中心選手になってもらいたいという思いがあり、実際にアリゾナに視察に訪れた際にも清宮幸太郎とともに、堀にも熱視線を送っていたのが印象的であった。

 栗山英樹監督も「どう使うかだよね。堀は両方できるから」と、先発かブルペンのどちらで起用するかはまだ決めかねている状況。本人は先発希望であり、チームの将来のことを考えれば私も先発で使ってほしいと思う。

 開幕投手の本命だった有原航平が右肩の炎症で大幅に調整が遅れ、さらに高梨裕稔、マルティネスも決め手を欠いているのが実情。指揮官が開幕投手に求める1つの条件として「チームに1勝以上の爆発的な勢いを与えられる選手が理想」とも話していた。そう考えていくと、決して可能性はゼロとは言えない、堀瑞輝の超サプライズな開幕投手起用──。

 夢物語かもしれないが、当時同じく2年目だった斎藤佑樹の大抜擢で開幕戦を制し、その勢いでペナントを制した2012年の例も過去にはある。開幕まであと約1カ月弱。侍ジャパンでもさらに経験を積んだ若きサウスポーが、2018年シーズンの栗山ファイターズのキーマンの1人になる。そんな期待感がいま漂っている。

文=松井進作 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング