プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は3月17日だ。
中日から
巨人に移籍した
ゲレーロがオープン戦で好調を維持している。確かに日本の他球団で実績を残した選手は未知数のわくわくはないが、安心感がある。
それを徹底したのが、2000年代後半のオリックスだ。07年に近鉄時代55本塁打のローズ、
広島時代40本塁打のラロッカ、08年に
西武時代55本塁打のカブレラを加え、09年には西武時代33本塁打のフェルナンデス(いずれもNPB自己最多の数字)を獲得した。
2009年3月17日は、この4人が大爆発した日だ。球場はやはり“本塁打量産球場”東京ドーム。打たれたのは
日本ハム投手陣だった。
この日、5回までは3対0と日本ハムのペースだったが、6回表に球場が一種、異様な空間になる。ノロシを上げたのは、この日一軍に合流したばかりのラロッカだ。一死で日本ハム・
豊島明好から左翼席中段へドスン。「ちょっと詰まったけどね」(ラロッカ)で120メートルだから、投手はたまったものではない。
一死一塁となったところで今度はカブレラだ。同じ豊島から右へ同点2ラン。右方向でもあっさりオーバーフェンスするカブレラらしい打球だった。こうなったらお祭り男のローズが燃えないはずがない。やはり豊島から右中間中段へドカン! 勝ち越しだ。
外国人打者の3連発なんて滅多に見られるものではない。ところが、この年のオリックスで4連発も見られるのである。ローズが、協約上では日本人扱いとなっているので、スタメンから外国人打者4人を並べることが可能なのだ。4人目は、今季
楽天から移ったフェルナンデス。四たび豊島から右中間へソロホーマーをたたき込んだ。
公式戦、オープン戦を含め、外国人選手4人が1イニングに本塁打を放つのは史上初。「われわれ4人ならしっかり結果を出せると思う」と自画自賛したのはフェルナンデスだが、4人合わせて前季までのホームラン合計が1014本とあっては、フェルナンデスの口が滑らかになるのはムリもない。滑らかついでに「シーズン中に50回ぐらいできたらいいね」と悪ノリ。これを受けてローズが「そんなにできるかい。まあ、30回でいいよ」。イヤハヤ……。
ただ残念ながら09年のオリックスは6位。4人を合わせても62本塁打に終わった。つくづくオープン戦だけでは分からない。
写真=BBM