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理想的な世代交代

 

3月18日時点でオープン戦打点王に躍り出た巨人岡本和真。レギュラー奪取をうかがう


 2年連続の開幕戦先発出場が現実味を帯びてきた。巨人の岡本和真のことだ。

 3月18日終了時点でオープン戦首位に躍り出たチームにあって、13打点は同部門1位。本塁打はチームメイトのA・ゲレーロに1本差と迫る4本を放って2位につけており、打率も.298と3割に迫る勢いだ。

 18日に行われたロッテ戦(ZOZOマリン)でのパフォーマンスが強烈だった。4号2点本塁打を含む4打数2安打で、この日、5対3で勝利したチームの全5打点をたたき出す働きを見せ、チームの5連勝に貢献。オープン戦首位へと押し上げた。

 昨季も「七番・左翼」で開幕戦先発(初)に名を連ねているが、その後、打撃は不振を極め、15試合の出場にとどまると、わずか6安打、打率.194と起用に応えることはできなかった。ちなみに、この年のオープン戦成績は打率.241、2本塁打、4打点。開幕戦先発は勝ち取ったわけではなく、あくまでも期待を込めてのものだった。

 今年は状況が異なる。「去年と同じことをやっていてはダメだと思っています。今年は去年よりもミスショットが少ないと思う」と、岡本は現状を分析し、これまでの積み重ねの成果を実感。波を少なくすることをテーマの1つに掲げており、18日まで7試合連続安打中で、ここまでオープン戦13試合でヒットが出なかったのは1試合のみと、昨年までとの違いも明らかだ。

 若返りを図るチームは、二塁の定位置を大卒2年目の吉川尚輝がほぼ手中に収めているが、当初の三塁ではなく、一塁にターゲットを変えて岡本が続く。ライバルは昨季まで四番に座ることが多かった阿部慎之助。これまでの実績では遠く及ばないものの、阿部はオープン戦10試合でわずか1安打と現状は比べるべくもない。

 高橋由伸監督はここまでの岡本を「今のところ、僕の中では評価しています」と高評価。高卒4年目の岡本が打線に組み込まれ、経験豊富な阿部が代打の切り札としてベンチに座る。理想的な世代交代ではあるが、ペナントレースが進んでも、なおそのようなシーンが増えるかどうかは、開幕後の岡本のバットにかかっている。

文=坂本 匠 写真=湯浅芳昭
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