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【週ベ60周年記念企画150】どこかが狂っている3つの問題【1961年2月20日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『川上政権キャンプへの門出』


表紙は西鉄・豊田泰光


 今回は『1961年2月20日号』。定価は30円だ。本文巻頭は『川上政権キャンプへの門出』。川上哲治新監督の下、宮崎でスタートした巨人キャンプの模様だ。

 ニュースストーリー特集『どこかが狂っている3つの問題』では、まず「欠番にならなかった背番号20」。中日杉下茂が監督解任され、大毎に去った後、新人・権藤博に託された背番号20の問題。実は、かねてから「杉下の貢献を考え、永久欠番にする」と球団側が公言していた。

 杉下自身にも不本意の思い、というか、これで中日に対する不信感が強まったようだ。背番号というより、監督解任後の冷たさにである。

「僕は監督に未練を持つのではない。十二年間もいた中日に未練があったのだ。だからユニフォームは着なくとも何らかの形で球団に残りたいと言ったのだが……。背番号も僕の処遇さえ球団が相談してくれたら僕の手にいつまで抱いていることができたはずだ。でもその願いさえかなえられなかったのだから」

 竜のエースナンバーの継承には、きれいごとだけでじゃない、隠されたドラマがあった。

 2つめは「スタンカ投手への疑義」。南海入りしたスタンカの契約について古巣のホワイトソックスが抗議しているという話だ。スタンカが「野球をやめる」と言ったからホワイトソックスは契約しなかったが、それは自由契約ではなく、球界復帰時は必ず申し出て許可を取るという条件があった制限選手としてだったという。なのに日本でプレーしているのはおかしいというものだった。

 3つめは病気もあって52年限りで阪神を引退し、飲食業で成功を収めていた櫟(いちい)信平がコーチとしてチームに復帰したが、実は選手への復帰も希望しており、球団もあまりの熱意に圧倒されているという話だった。これは別に「狂ってはいない」と思うが。

『12球団週間報告』の巨人編では「クビになったゴム人形」と怪しいタイトル。読んでみると、投球練習時の打者代わりにゴム人形を導入したが、うまく立たせることができずクビにし、藁人形に代えたという話だった。

佐々木信也連載対談』では、大毎・小野正一が登場。先ごろ女優に仁木多鶴子さんと結婚したのでタイトルも「女房のために稼がなきゃ」。確かに美人だ。

 また、広告で新潟県小出スキー場に、小社旅館「ベースボール・ハウス」を持っていたことが判明。二食付き1泊400円、素泊まり200円らしい。

 以下、宣伝。

 週べ60年記念シリーズ『巨人編』が好調発売中。次回、日本ハム編も佳境です。今回は巨人編に比べ、ややくだけた企画もあります。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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