3月30日、いよいよ2018年のプロ野球が開幕する。ここでは週刊ベースボールのパ・リーグ球団担当が自チームのVへのキーマンを選出する。 ソフトバンク・中村晃
「層の厚いソフトバンクだが、中村晃は唯一無二の存在と言っても過言ではない。広角に打ち分けられるだけでなく、粘って四球を奪うしぶとさも光る打撃。守備では外野に一塁もこなし、広い守備範囲と鋭い判断力を持つ。2年連続全試合出場というたくましさもある。指揮官も高く評価する“何でもできる男”が、好守好打でチームを再び頂点に導く」(H担当)
西武・多和田真三郎
「戦前から西武の弱点と言われているのが投手陣だ。特に先発陣は不安要素が多い。エースの
菊池雄星、
十亀剣らはオープン戦でも順調だったが、主力投手で勝ち星を稼ぐだけでは優勝は近付かない。カギを握るのは若手の先発だ。そのなかでも3月31日、開幕2戦目に登板予定の多和田真三郎が飛躍しなければ、10年ぶりのV奪回も覚束ないだろう」(L担当)
楽天・茂木栄五郎
「ペゲーロ、
ウィーラー、
アマダーが座る強力打線に着火するのは、一番の茂木栄五郎だ。右ヒジ手術から復活し、その打棒が戻れば打線に死角なし。フルスイング、全力疾走でチームメートを鼓舞。今季こそはフルイニング出場で球団としては5年ぶり、自身では初の歓喜を現実のものとしたい」(E担当)
オリックス・西勇輝
「初の開幕投手を手にしたが、成績も“エース”の数字を残さないとチームの浮上はない。過去4度の2ケタ勝利を達成も、該当年の最多貯金は3。いつまでも
金子千尋に頼ってはいられないだけに、先発の柱として“2ケタ貯金”を作りたいところ。新エースが誕生すれば、若手投手陣、さらに野手陣にも好影響を与えるのは間違いない」(Bs担当)
日本ハム・有原航平
「有原航平の活躍なくして覇権奪回はない。本来なら『3.30』の開幕マウンドに立たないといけなかったが、現在は右肩の炎症で二軍調整中。4月中旬の一軍合流を目指している。2年連続で2ケタ勝利をマークしているものの、ポテンシャルからすればまだまだこんなものではない。早期復帰で15勝はエースに課せられた最低ノルマだ」(F担当)
ロッテ・安田尚憲
「今季の現実目標はAクラス入りを狙いつつ、来季以降に優勝を狙うための布石を打つことだろう。“布石”の筆頭はドラ1・安田尚憲。二軍スタートの極上の原石が周囲の想像を上回る速度で一軍戦力となり、さらには四番としてチーム懸案の長打力不足を解消する。そんなシナリオが現実のものとなれば頂点も見えてくるかもしれない」(M担当)
写真=BBM