週刊ベースボールONLINE

プロ野球仰天伝説

【プロ野球仰天伝説99】審判に退場宣告され、号泣しながら抗議した村山実【怒れる男たち】

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

「俺は命がけで投げとるんや」



 情熱のエース、阪神・村山実の伝説のひとつだ。

 1963年8月11日、巨人とのダブルヘッダーの第2試合(後楽園)。7回裏走者二。三塁でリリーフした阪神の村山(当時は昌史)は、2−2から自信を持って投げた1球の判定に激高。「あれが本当にボールか。ちゃんと見てくれ」と言いながら近づいていく。

 国友球審は、すぐ村山に暴言で退場を宣告したが、顔を真っ赤にした村山は「なぜ退場なんだ」と、あらためて迫った。

 そして、もみ合うなかで、国友球審の手が村山のアゴを殴るように入った。ここで村山の感情は一気にわき立ち、涙がボロボロとあふれてきた。

 ベンチから飛び出した捕手の山本哲也が抱きかかえるようにして必死に止めたが、何度も何度も国友球審に近づいていき、「俺は命がけで投げとるんや。あんたも命がけでやってくれ」と号泣しながら抗議した。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング