週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

2018パ・リーグ6球団の四番事情は?

 

優勝するためには、そこが十分に機能していなければいけない。チームの命運を握る存在である四番。開幕カードが終わったが、果たして各球団、打線の要がどのような働きぶりを見せたか。パ・リーグ6球団の四番事情を見ていこう。

福岡ソフトバンクホークス



 ようやくの一打。開幕から3試合目の4月1日、オリックス戦(ヤフオクドーム)、通算11打席目でのシーズン初安打は内川聖一にとって、レギュラーに定着した2008年以降最も遅い初安打となった。しかも、内川らしい巧打ではなく、セカンドがライナーを捕れずに抜けた、ラッキーな形での右前打。それでも、やはりキャプテンの一打だ。このヒットで本多が二塁へ進むと、球場の雰囲気は変わった。そして、中村晃の逆転満塁弾へ続く。やはり、ソフトバンクの四番は内川しかいない。通算2000安打までは残り24。ここからペースアップで早期達成を目指す。

埼玉西武ライオンズ



 オープン戦で30打席連続無安打など不振が続き、打率.136、2本塁打と低迷した山川穂高。しかし、辻発彦監督は苦しんでも前を向く山川の姿を評価して、予定どおり開幕の日本ハム戦から「四番・山川」でスタートした。指揮官の期待に応え山川は初戦に適時打、2戦目には2点リードの9回に相手を突き放す1号3ラン。3戦目は3三振に倒れたが、それでも戦う姿勢は崩さない。よっぽどの大不振に陥らない限り、今季は山川が四番に座り続けるはずだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 打線全体の低調さとは対照的に、楽天の元気印が乗っている。今季も四番を任されているウィーラーは、3戦で6安打を放って打率.500。昨季は開幕直後から極度の不振に陥り、初本塁打は19戦目だった。今季はここまで本塁打こそ出ていないが、バットは好調そのものだ。“超重量級打線”を担うペゲーロ、アマダーのバットからも快音が聞こえている。彼らの間に入る島内宏明銀次らが調子を取り戻せば、得点力アップは確実だろう。

オリックス・バファローズ


オリックス・ロメロ


 今季初勝利を手繰り寄せたのが四番・ロメロの一振りだった。ソフトバンクとの開幕戦(ヤフオクドーム)こそ無安打も、1対1で迎えた第2戦の6回。3球目のスライダーを一閃すると打球は左翼席へ。「打った瞬間だね」と今季初安打が勝ち越しの本塁打となり、チームを勝利に導いた。第3戦は、またも無安打だったが、第1打席に冷静にボールを見極めて四球を選ぶなどチームプレーに徹する背番号9。右翼守備でも開幕戦でダイビング捕球するなど、四番に座りながら良い意味で“助っ人”らしくない献身的な姿勢で、今季もチームを鼓舞する。

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・中田翔


 不動の四番、また新キャプテンにも就任して迎えるプロ11年目。昨年は「野球が嫌いになりそうだった」と大スランプに陥ってチーム低迷の大きな要因となってしまった中田翔。それだけに2018年シーズンに懸ける思いには並々ならぬものがあり、チームの先頭に立って開幕を迎えた。だが第3戦で初ホームランを放つも、全3試合で12打数2安打(2四死球)とまだまだ本領発揮とはいかず。チームも9年ぶりの3連敗スタートと苦しい船出になってしまったが、四番の完全復活なくして逆襲はない。頼れる主砲のバットがチームの命運を握っている。

千葉ロッテマリーンズ



 井口資仁監督の構想では角中勝也を四番に据え、「一番から四番まで走れる打線」の構築を目指していた。しかし、開幕メンバーから外れた角中は楽天との開幕戦(ZOZOマリン)当日、3月30日に第12胸椎圧迫骨折で全治約5週間の診断を受けた。それでも代役に指名された井上晴哉が結果を残した。第2戦では自身プロ入り初の2打席連続本塁打で井口監督の初勝利に貢献。指揮官の「しっかり打ってもらわないと困る選手」という期待に応えている。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング