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【連続写真】大洋・平松政次「冴えわたった魔球“カミソリシュート”」

 

プロ野球の歴史を彩った伝説のプレーヤーの打撃フォーム、投球フォームを連続写真とともに紹介。今回は“魔球”シュートで打者を攻め立てた平松政次だ。

長嶋茂雄も嫌がったシュート


大洋・平松政次


 快速球と右打者の体に向かって鋭く食い込む“カミソリシュート”が武器。ボールの縫い目に指をかけずに握り、ひねらずに体の開きで投げていたので、球速もストレートとほとんど変わらず、打者からは浮き上がって見えたという。

 その変化は「ベースの真ん中を狙うと、うまくストライクゾーンぎりぎりに決まった」(平松)というほど大きかった。あの長嶋茂雄巨人)が「いまでもあの軌道を忘れることができない」というほど嫌がり、通算201勝のうち対巨人51勝の“巨人キラー”だった。

 ただ、晩年は肩を痛めて球速が落ち、ひねりを加えるシュートやチェンジアップなども交え、試行錯誤しながら200勝にたどり着いている。

 写真では、足を上げたところから、速球派投手の特徴でもあるのだが、野茂英雄(近鉄ほか)も見本にしたという、お尻から投手に向かう動きが見える。打者に背中を見せるくらいひねった状態で、さらに左手を高く上げながら開きを抑え、広いステップで豪快に腕を振り切っている。

 胸の張りも十分。この胸の張りがあるからこそ、平松がこの時代のリーグを代表する投手となり得たのだろう。

●平松政次(ひらまつ・まさじ)
1947年9月19日生まれ。岡山県出身。右投右打。岡山東商高から日本石油を経て、66年秋の二次ドラフト2位で大洋に指名され翌年秋、入団。84年限りで現役引退。[主なタイトル]最優秀防御率(79年)、最多勝利(70、71年)、沢村賞(70年)。[通算成績]635試合、201勝196敗16セーブ、防御率3.31。

写真=BBM
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