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プロ野球仰天伝説

【プロ野球仰天伝説103】クロマティに殴られた宮下昌己は本当にぶつけようとして投げたのか【怒れる男たち】

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

ある思いを秘めてマウンドへ


クロマティ(左)の右ストレートを顔面に受けた宮下


 1987年6月11日、熊本藤崎台での中日巨人戦。5回の登板し、2イニングを無失点に抑えたセットアッパー・宮下昌己は、ある思いを胸に秘め、7回のマウンドに上がった。

 試合は0対4で、ほぼ決まってしまった。おそらく、この回で自分はお役御免となる。巨人は先発の2年目、桑田真澄が内角に打者をのけぞらせるようなボールをどんどん投げていた。打者ではクロマティが内角を攻めるたびに威嚇してくる。このまま終わっていのか――。

 宮下の球はクロマティの背中に当たった。ただ、頭近くではなかったし、向かってくるかもとは思ったが、マウンドまでは来ないだろうと思ったという。しかし、クロマティは一直線にやってきて顔面に右ストレート。その後、両軍入り乱れての大乱闘になった。

 それでも宮下はいま「言い方は悪いけど、死球もいい思い出ですよ。いまでも年に一度くらいは取材がありますからね」と笑っている。

写真=BBM
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