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DeNAの将来を担う“高卒右腕カルテット”

 

身長186センチから角度あるボールを投げ下ろす阪口


 開幕から先発の主力3投手を欠いているDeNA。クリーンアップを中心とした頼みの強力打線も本来の姿とはほど遠く、シーズン開幕から厳しい戦いを強いられている。そんな中で、投手陣では竹の子のように次々と若い才能の芽が育っている。

 キーワードは“高卒右腕”。すでに今季、先発ローテ入りを果たした飯塚悟史(4年目、日本文理高)に続いて、4月1日のヤクルト戦(横浜)では京山将弥(2年目、近江高)が初登板&初勝利を飾った。また、現在は右肩クリーニング手術を受けリハビリ中の綾部翔(3年目、霞ケ浦高)も昨季末に先発で初勝利を手にしており、復帰後は一軍の先発ローテを担う素材として期待十分だ。

 そしてもう一人。今季ドラフト3位で入団した阪口皓亮(1年目、北海高)も高いポテンシャルを秘める。高校3年夏まではほぼ無名ながら、背番号10を背負って先発した夏の甲子園1回戦(神戸国際大付高戦)で躍動。4回途中1失点で降板したが、自己最速となる148キロを計測した力強いボールによってスカウトの評価を一変させた。

 阪口は春季キャンプは二軍スタート。1年目はプロで通用する体作りを主眼に置いたトレーニングが中心となるが、すでに実戦で結果を出している。3月25日のファーム・日本ハム戦(鎌ケ谷)に先発すると、緩急をつけたカーブ、カットボールを武器に6回2安打1失点、5奪三振で勝利投手となった。すぐに一軍昇格は難しいが、ゆくゆくは先発ローテを務めるだけの力はある。

 DeNAのスカウトは、今永昇太濱口遥大ら“大卒左腕”をドラフト上位で指名し、即戦力として結果を求める一方で、素材重視で獲得しファームで手塩にかけた“高卒右腕”が育っており、球団の編成として中長期的なビジョンが実を結んでいる。飯塚・綾部・京山・阪口が“右腕カルテット”として一軍で活躍する日が楽しみだ。
文=滝川和臣 写真=前島 進
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