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週刊ベースボール60周年記念企画

【週ベ60周年記念企画168】“和製ベーブ”野村克也の告白【1961年6月19日号】

 

今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

『これでは稲尾がかわいそう…』


表紙は東映勢。左から土橋正幸水原茂監督、久保田治


 今回は『1961年6月19日号』。定価は30円だ。グラビアでは巻末ページに『ブルーム観客に暴行』の記事がある。6月3日、阪急−近鉄戦だ。スタンドから「ヤンキー・ゴー・ホーム」とやじられた近鉄のブルームが客席に上がって、ヤジを発した男に暴行。ブルームは5万円の罰金、1週間の出場停止処分となった。

『ホームランを打つのにこの苦労』は、57年にホームラン王を獲得以来、タイトルには、あと一歩で届かないままだった南海・野村克也の話だ。

「今年はひとつタイトルを狙ってみようと思っているんだ。こんな気持ちになったのは初めてだ」

 結婚したことも意欲をかきたてた要因のようだった。ただ、ご存じのとおりサッチーの話ではない。昔の週べは家族のエピソードも多いが、離婚された方も多い。注意して書いていこう。

 投手の酷使話を2つ。

『これでは稲尾がかわいそう…』は、この年、すさまじい勢いで投げまくっている西鉄・稲尾和久の話。最終的には78試合404イニングに投げ、史上最多42勝を挙げたシーズンだ。ただ、チームとしては稲尾に続く存在がおらず、優勝を逃している。

 以前書いたように、この年、パは投手の上限を290回に決めていたが、すでに、間違いなく、あっさり抜いてしまうペース。あくまで紳士協定ではあったが……。

 西鉄・川崎徳次監督は「稲尾は投げれば投げるほどよくなるタイプの投手だ」と言っていたようだが、監督の身勝手さでいえば、中日濃人貴実監督もすごい。

 中日はいま新人・権藤博の連投で首位に立っていた。こちらは最終的には69試合、429回3分の1に投げ、35勝を挙げている。『佐々木信也連載対談』に出ていた濃人監督はこう語っている。

佐々木 最近権藤の登板回数が増えているんですが、あんな使い方をしてバテやしませんか。

濃人 大丈夫ですよ。ノンプロの時代は連投連投で投げ抜いてきたピッチャーですもの。権藤は見かけよりもずっとタフですし、いい根性をしていますわ。

 低迷が続いていた阪神は、6月6日に金田正泰監督が休養と藤本定義コーチの監督昇格が発表された。

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 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』が好評発売中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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