長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 観客増のために
黄金時代を築き上げた阪急だが、関西のプロ野球と言えば、やはり
阪神。観客動員の面では、ずいぶん苦労した。
観客増のため、こんな仰天企画もあった。1983年4月30日の近鉄戦の前に、盗塁王・福本豊(写真)とメジャーの盗塁王モーリー・ウィルスの息子
バンプが、外野からバックネットまでの60メートルをサラブレッドのジンクピアレス号(牝5歳)と競争するというのだ。
当初は
簑田浩二も入れた「快足トリオ・イベント」として選手に確認もせずにマスコミ発表していたが、簑田はすぐにキャンセル。福本も断るつもりだったが、「公表した以上、来てくれたファンのためにもやめることはできない」と球団社長にじきじきに頼まれ、断れなかったという。
当日の西宮には2万8000人のファンが集まったが、馬がスタートに失敗し、まともな競争にはならなかった。優勝は7.6秒のバンプだったという。
写真=BBM