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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

悔しさにまみれたヤクルト・坂口智隆の決意

 

慣れない一塁守備にも前向きに取り組んでいる


 4月14日の阪神戦(甲子園)で坂口智隆が今季1号ソロを放った。「塁に出ようと、それだけで(打席に)入った。いい結果になってよかった」と笑う。そして、雨でぬかるむ中での一塁守備について問われると「日々必死にやっています」と、前を見据えて言った。

 小川淳司監督ら首脳陣が新オプションとして「一塁・坂口」を考案したのは春季キャンプ中のことだった。全体練習後の特守で宮本慎也ヘッドコーチのノックを受けた坂口。「一塁は小、中学以来。一番球に関わる機会が多い位置で難しい。チャンスだと思うので、必死にやっていきたい」と決意のほどを語っていたが、それには理由がある。

 青木宣親が戻ってきたことで外野の定位置争いが激化。昨季まではキープしていた定位置を、バレンティン雄平とも戦わなければならなくなった。出場する可能性が高まるのならば何でもする。そんな坂口の覚悟が垣間見えた。

宮本ヘッドコーチが「何かあったときに幅が広がる」と語っていたが、「一塁・坂口」はいきなりお披露目となった。3月30日の開幕戦(横浜)、六番に座った坂口は先制となる2点適時二塁打を放つなど、4安打の活躍で勝利に貢献した。

 しかし、守備で試練が訪れる。4月4日の広島戦(神宮)では6回一死一、二塁の場面で一塁ゴロを捕球したが、これを一塁ベースカバーに入った原樹理に悪送球。これで一気に2点を奪われた。「一つの失策で試合をぶち壊した。二度とないようにしたい」。

 翌日以降、試合前のグラウンドには投内連係を繰り返す坂口の姿があった。福川将和打撃投手は「(守備練習を)手伝ってください」と懇願されたという。「よほど悔しかったんでしょうね。ミスをなくそうと、必死に練習していました」(福川打撃投手)。

 一時は外野に戻ることもあったが、雄平が一軍に復帰したことで一塁を守る機会も多くなっている。4月12日の中日戦(ナゴヤドーム)から5試合連続安打をマークするなど、ここまで打率.353。打撃に関しては好調だ。「一塁・坂口」が板についてくれば、燕打線の“オプション”とは呼べなくなるだろう。

文=富田 庸 写真=大賀章好

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