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プロ野球仰天伝説

旅費がなく、広島から甲子園に歩こうとした選手たち/プロ野球仰天伝説126

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

ファンの熱意で……


球場では市民による募金活動も


 市民球団を目指し、大企業のバックがなかったことで広島カープは長く資金難に苦しんだ。最大のピンチが51年のシーズン前だった。選手への給料遅配の問題もあり、連盟から解散か大洋との合併を迫られた。

 やむなく合併に向けて動き出したが、その話が報道陣にもれ、3月14日、地元のラジオのニュースで流れたことで状況が一変する。人々が県庁に、市役所に、商工会議所に、新聞社に詰めかけ、涙ながらに「カープをつぶすな。われわれもできる限りのことをする」と訴えた。広島はこのとき確かにひとつになった。

 選手たちも動いた。16日から甲子園で大会があったが、汽車賃がなく不参加となるはずだった。だが、選手たちは「歩いていけばいい」と出発の準備を始めた。結局、後援者やファンのカンパで汽車に乗ることができ、連盟も広島の熱意に打たれ、存続にOKを出した。

写真=BBM
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