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次回の大谷登板時は、正捕手・マルドナードの「構え」に注目だ!

 



 驚異の投球を見せるエンゼルスの大谷翔平投手。彼のボールを受ける正捕手のマーティン・マルドナードは、大谷が投げた大きくワンバウンドするスプリットを後逸することなく、また160キロの真っすぐをしっかりとフレーミングしている。さすが昨年ゴールドグラブ賞受賞者でサイバーメトリクスの専門家を中心に構成される賞、フィールディング・バイブル・アワードと優秀守備選手賞を獲得した素晴らしい捕手だ。

 先日、阪神坂本誠志郎捕手と取材後に捕手の「構え」について話がおよんだ。「外国の選手たちは骨格の問題もあるので、捕手として構えたときにはお尻が落ちにくいと思います」とのこと。少し腰高に構えてしまうのは骨格によるもの。では後逸しないようにするためには……そこはアジア人も同じだという。

「足幅を広く取らないと、速く鋭く落ちるボールのバウンドに反応するのが難しいんです。だからそれはどの捕手も同じだと思いますし、(後逸したくないので)自然と足幅は広くなっていくんです。ただ、それをすると球種がすぐにばれてしまうので、いかに構えを一定の形にしながら、ワンバウンドを後ろにそらさないようにするかを工夫するのが捕手の仕事なのです」

 その言葉を聞いた後に、大谷の登板のときにマルドナードの「構え」を気にしながら見ていた。現地時間4月24日のアストロズ戦では真っすぐもスプリットもスライダーも、2ストライクを奪うまではまったく同じ構えだった。しかし、2ストライクからスプリットとスライダーを要求したときだけ、大谷が投げる直前に両足の開きが大きくなった。そしてワンバウンドした瞬間に両ヒザを内側下へ落とし、ボールを真下に落としそらさない対応をしていた。

「多分、そういうふうにしないと(投球のスピードに体の反応が)間に合わないですね。僕たちもそこはいろいろと工夫して、真っすぐを要求したときに、わざと足幅を広くしたり、その逆もしたりします」と坂本捕手。

 さあ次回の大谷の先発登板のときは、彼のすごい投球を期待するだけではなく、女房役・マルドナードの構えとそのキャッチング技術なども堪能してみてはいかがだろうか。

文=椎屋博幸 写真=Getty Images
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