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プロ野球仰天伝説

上田監督の言い間違いから仕方なく引退した福本豊/プロ野球仰天伝説131

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

上田利治監督のあいさつが……


山田久志(左)と一緒の引退に


 ご存じの人も多いと思うが、世界の盗塁王・福本豊の引退が言い間違いから、というのはやはり衝撃だ。1988年、阪急がオリックスへの身売りを決めた後、10月23日、最終戦での上田利治監督のあいさつだった。

「今日でやめる山田(久志)、そして福本」

 突然、自分の名前が呼ばれ、驚いた。やめるとも言っていないし、やめろとも言われていない。引退試合だったら家族や親せき、知り合いを球場に呼んだのに――。

 その後、球団にコーチと言われ、じゃあ、選手兼任でと言ったらダメ。どこからか声がかかったら現役を続けたいから、任意引退じゃなく自由契約にしてくれないか、と頼んでもダメと言われた。聞いているうちに上田監督の言葉も単なる言い間違いじゃなかったのかもと思った。

 最後は、この男らしく、「まあ、しゃあない」と割り切った。阪急ブレーブスと一緒に終わるのも、また幸せじゃないか、と。

写真=BBM
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