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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

得点圏打率.524はリーグトップ。小林誠司は勝負強さセ界一

 

5月3日の広島戦で先制の2点適時二塁打を放つ巨人小林誠司


 小林誠司の勢いがとどまるところを知らない。
 
 4月8日までの間に3度、スターティングラインアップから外れ、試合終盤になると代打を送られることもあり、なかなか規定打席に到達できずにいたが、開幕から打撃は好調。チームの21試合目となった4月24日の中日戦(長野)でようやく規定に到達すると、この日も4打数2安打し、打率を.375に上昇させてセ・リーグトップに躍り出た。

 その後、中日のアルモンテにその座を明け渡し、5月3日時点ではチームメートの坂本勇人が打率トップ(.384)に君臨しているが、小林も.342で依然としてセ・リーグ3位(2位はアルモンテの.346)のハイアベレージをキープしている。

 八番という打順もあり、安打数自体は坂本勇の43(こちらもリーグトップ)に対し、小林は26(リーグ15位タイ)だが、10個の四球を選び、出塁率.420はリーグ6位の好成績。下位から上位につなぐ役割を果たしており、4月12日から一番に座る坂本勇が、それ以降の16試合で一番ながら15打点を稼ぎ出しているのも無関係ではない。

 ただし、つなぎだけでは終わらないのも今季の小林の特徴だろう。5月3日の広島戦(マツダ広島)は敗れてチームは3位に転落となってしまったが、敗戦の中で勝負強い一面を見せている。2回二死一、二塁から打席に立つと、甘めに入ったカーブを逃さずとらえ、ライト線に運ぶ先制の2点適時二塁打。この一打で得点圏打率は.524(打点はリーグ12位の15)となり、並み居る強打者を抑えてセ・リーグトップに。

 2年連続打率最下位(2016年=.204、2017年=.206)のインパクトがあまりにも大きく、勝負強い打撃を見せるいまの小林に戸惑う声も多いが、社会人の日本生命でプレーしていた当時は、2年の在籍で都市対抗、日本選手権(つまり社会人の2大大会)に2度ずつ計4度出場し、2大大会通算9試合で打率.333、8打点をマーク。舞台が大きければ大きいほど力を発揮する選手で、「実は勝負強かったんです(笑)」は当時を回顧した際の小林本人の弁だ。

 小林在籍時の日本生命を率いていた花野巧元監督も「良いところで打つというイメージがあって、当時は打つほうも期待していました。プロとアマの違いは理解していますが、(昨季までを見ていて)それでももっとやれる。何をやっているんだ、と思って見ていました」というから、本領発揮ということか……。

 いずれにしても、4月上旬には6連敗などもあり、一時は最下位に低迷したチームの浮上に貢献した。果たしてどこまでこの好調を維持できるのか。攻守に今後のチームの命運を握る存在であることに違いはない。

文=坂本 匠 写真=BBM
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