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2018パ・リーグ6球団の捕手事情は?

 

優勝するためには、そこが十分に機能していなければいけない。チームの司令塔である捕手。扇の要を務め、グラウンド上での監督的存在でもある。勝利へ必要不可欠な存在であるパ・リーグ6球団の捕手事情を見ていこう。

埼玉西武ライオンズ



 球界が待望している“打てる捕手”の誕生へ――。5年目を迎えた森友哉が今季は捕手主体で試合に出続けている。30試合を終了した時点で15試合にスタメンマスクをかぶり、11勝4敗。特に多和田真三郎とコンビを組み、開幕6連勝に導いているのは大きい。捕手としてスタメン出場しないときには指名打者に入り、五番打者として強打も発揮し続けていることもチームの首位快走の大きな要因だ。首脳陣は主にエースの菊池雄星が投げる際は炭谷銀仁朗、森とのコンビで結果の出なかった十亀剣には岡田雅利など状況に応じて捕手起用。さらに炭谷は打率.317、岡田は打率.375と森と合わせて捕手の打撃が抜群なのが、他チームにない強みとなっている。

北海道日本ハムファイターズ



 主戦捕手だった大野奨太(現中日)が抜けた穴を誰が埋めるのか。それが開幕前の1つの焦点だった。近藤健介もキャンプから捕手に再挑戦し、実績のある市川友也(現ソフトバンク)、黒羽根利規らがひしめく中でポジションを勝ち取ったのは4年目の清水優心。開幕からスタメンに起用され、課題だった打撃でも5本塁打と猛アピール中。外国人投手の際はベテランの鶴岡慎也が先発マスクをかぶることもあるが、清水の台頭でチーム待望の正捕手誕生の機運は日増しに高まってきている。

福岡ソフトバンクホークス


ソフトバンク・甲斐拓也


 故障者続出の緊急事態の中、開幕を迎えた。開幕前に支配下登録された堀内汰門との2人体制ではあったが、必然的にマスクをかぶり続けたのは甲斐拓也だ。予期せぬ形で独り立ちを余儀なくされたが、常にプレッシャーとの闘い。開幕から6試合は先発陣に勝ちをつけることができず、工藤公康監督からも「(狙いどおりに)来るボール、来ないボールの見極めが必要」と厳しい指摘も受けた。4月17日に右ヒジの手術から高谷裕亮が復帰、18日には日本ハムから市川友也を獲得し本来の3人体制となったが、将来を見据えても甲斐の成長にかかる期待は大きい。

千葉ロッテマリーンズ



 開幕から29試合連続で先発マスクをかぶった田村龍弘が正捕手に君臨する。キャッチングで細かなミスはあるが、持ち前の強肩は健在。何よりインサイドワークやたたずまいが「捕手らしくなってきた」という声が上がっている。不安定な投手陣を必死に支える司令塔も今年でまだ24歳。井口資仁監督から告げられた「打率.280」という目標がクリアできるようになれば球界を代表する捕手に成長できるはず。逆に江村直也をはじめ控え捕手には高きカベとなっている。

オリックス・バファローズ



 伊藤光、若月健矢の2人体制で開幕し、第3の捕手は伏見寅威で打撃好調で代打要員としてもベンチに置いている。ただ、4月17日のロッテ戦(ZOZOマリン)に伊藤が捕逸に犠打失敗を犯して翌日に二軍に降格。代わりに山崎勝己が昇格し、若月とともに日替わりでスタメンマスクをかぶっている。投手との相性などの固定バッテリーはほぼなく、5月6日までの先発出場数は若月=17、山崎8、伊藤=6、伏見=1。

東北楽天ゴールデンイーグルス


9回表を終え、ピンチを招いた松井裕(左)を怒る楽天嶋基宏


 正捕手・嶋基宏は今季も揺るがないが、逆に言えば、それを脅かす存在がいないのが苦しいところだ。第2捕手の筆頭格である足立祐一は二軍調整が続いていたが、5月2日に再昇格。苦境続きの投手陣をうまく導けるか。昨オフにソフトバンクから移籍した山下斐紹は打撃でも期待される。二軍では24歳の下妻貴寛、21歳の堀内謙伍が切磋琢磨しながら将来の正捕手を目指している。そして38歳の大ベテラン、細川亨。今は二軍だが、チームの精神的支柱としての働きが期待される。

写真=BBM
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