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編集部コラム「Every Day BASEBALL」

植田海というだけで……

 

打撃に力強さも増したことで、さらに足を生かした打撃で阪神に勢いをつけている植田


 阪神で期待されてきた大山悠輔が打撃不振に陥り、代わって出場機会のチャンスを与えられたのが今季4年目の植田海だ。4月29日の広島戦(マツダ広島)で「二番・遊撃」として出場をすると、8試合連続でスタメンを張っている。

 2016年オフのU‐23ワールドカップで日本代表の遊撃手として出場し、6盗塁を決め大会盗塁王になり、日本の初優勝に貢献した。昨年はウエスタン・リーグで2位の25盗塁を決めるなど足のスペシャルストだった。ただその足を見せるには出塁しないと意味がない。

 以前は「足を生かすためには、打撃面で出塁率を上げることです。左打席では、意識的にショートライナーを打つイメージで、強い内野ゴロを打ちにいっています」と語っていたが、スタメン以降の打撃内容を見ると遊ゴロや左前打、二ゴロ、右前打を多く打っており、成長してきたことがうかがえる。

 そこにセーフティバントを2つも決め、何より四球が6つもあり選球眼もアップ。出塁率は.429と二番打者としては申し分ないし、これでこそ彼の足が生きるというもの。足も4盗塁を決めているが、50メートル5秒8という俊足ぶりだ。

 植田海が先発してからチームは6勝2敗と好調。まさに救世主的な存在になっており、植田海というだけで、期待感が高まるのは必然の状況になってきた。盗塁でのスタートから塁到着がレッドスター、赤星憲広氏とほぼ同じと言われており、ニュースピードスターが誕生しそうだ。ただ、この活躍を続けレギュラーを確実にするためにはやはり、初心に帰り強い内野ゴロを打ち続ける意識が大事になってきそうだ。

文=椎屋博幸 写真=太田裕史
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