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プロ野球デキゴトロジー/5月12日

赤っ恥の三重殺でゲームセット【2001年5月12日】

 

阿部がタッチし、三重殺完成


 カードも同じだが、今年の話ではなく、2001年、まだ巨人阿部慎之助がルーキーの時代なので中日ファンの方はご安心を。

 プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は5月12日だ。

 1点を返してなお無死満塁。1対3のスコアだから勢いからすれば中日のサヨナラ勝ちも十分考えられた。5月12日の中日−巨人戦(ナゴヤドーム)、9回裏、中日攻撃の場面だ。

 打席の代打・井上一樹は巨人・條辺剛の投球にやや詰まり、センター浅めの飛球を放った。と言っても、中堅手が弱肩なら犠飛になるくらいの飛距離はある。これが中日側の判断を狂わせた。

 巨人・松井秀喜は中継に入った仁志敏久に低く速い送球。1点はあきらめ、二走の大西崇之の三進を防ごうという守りだった。

「タッチアップは完全にやられたと思った。だからカットマンに素早く返球したら、ああなった」と松井。「ああなった」とはこういうことだ。

 仁志が送球を受けて三塁方向を見たら三走の鈴木郁洋は、なぜか突っ込む様子がない。仁志はついていると思って大西に目をやると、ふらふらと二塁を離れている。すかさず追い込んでタッチアウト。すると、何を思ったのか、今度は鈴木郁がふらふらと三塁を離塁。仁志はボールを持ったまま、鈴木郁をホーム方向に十分追い込んでから捕手・阿部に送球。阿部がタッチして、三重殺完成。三重殺で試合が終了したのは、5年ぶりの珍事だった。

「ホームか三塁にいるか判断がつかずチョロチョロしていた」と鈴木郁。試合の中には、エアポケットのように、おかしな動きをしてしまうこともあるが、これはプロ失格と言われても仕方がない大チョンボだった。

写真=BBM
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