何度もクビになりながら……
まさに波乱万丈の野球人生だ。
1977年、近鉄に入団したカズこと、山本和範である。80年に一軍初出場を果たすが、82年限りで解雇になってしまう。一度は野球をあきらめ、故郷の福岡に帰ろうと思ったが、わずかな可能性に懸け、近鉄時代の同僚・
久保康生に紹介されたバッティングセンターでアルバイトをしながら練習、復帰を目指すことにした。
幸い近鉄の二軍時代、山本のバッティングに注目していた
穴吹義雄監督に誘われ、83年南海入団。84年からスタメンに定着し、勝負強い打撃と明るい性格で人気選手となった。
95年、右肩の亜脱臼もあって46試合の出場に終わると、自由契約。それでもテストを受けて96年は古巣・近鉄と契約。99年には球団から引退を勧められるも現役続行宣言。最後のダイエー戦でなんと決勝ホームランを打ってしまった。
ただ、この本塁打で逆に完全燃焼。引退を決めた。
写真=BBM