今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 豪華な2ショット
今回は『1962年1月22日増大号』。定価は10円上がって40円だ。巻頭グラビアは『ニューヨークと長嶋』。扉からドンと61年にベーブ・ルースの記録を抜く61本塁打を放ったヤンキースのロジャー・マリスと巨人・
長嶋茂雄の2ショット、ページを開くとアメリカの空港に着いた俳優・石原裕次郎夫妻と長嶋。なんだかすごく豪華だ。
本文巻頭も『長嶋はアメリカになにをしに行ったのか』で、この渡米に密着取材。親友石原に誘われ、「キャンプまでに帰ります」と言い残しての1月4日の出発だったが、報道陣も黙っていない。芸能、スポーツ記者が大挙して帯同した。
ニューヨーク到着3日目の1月7日、長嶋は市内のホテルで行われたスポーツ用品展示会に出かけ、前述のマリスと30分ほど話したらしい。長嶋はその感想を聞かれ、
「想像していたように、実に立派な人柄だ。ベーブ・ルースの記録を更新したのだぞ、といった、鼻にかけたふうなどなく、温かく迎えてくれた」
と語っている。
『風雲をよぶ三原のメガトン構想』というページもあった。確かに
中日からの
森徹、まだ正式決定はしていないが、ハワイ・アイランダーズの四番・マクマナスの加入となれば、かなりの重量打線になる。
三原脩監督は「この打線なら3点リードされてもワンチャンスでひっくり返せます。やっとプロ野球らしい野球ができそうです」と笑顔。中部謙吉オーナーも「ビリからトップになり、次はまたビリ。ことしトップになったら、ええ気持ちやろうな」と上機嫌だった。
佐々木信也の連載対談には南海・
杉浦忠が登場。右腕の動脈閉そくの手術は成功したのだが、ややタイミングが遅かったらしく、指先はしびれたままらしい。佐々木が「来年は杉浦君にかかってくる負担が大きいね」と振っても「僕はもう野球はダメです。1つ2つくらいは勝ちたいけど、もうそんなぎょうさん勝ちたくないや」と言って寂しく笑ってた。自分の限界を知り、あとは楽しんで野球をしたいという思いだったのだろうか。
年俸でもめ、12月28日に突然退団を表明した大毎・
山内和弘は急転残留が決まった。これは山内本人より後援会が盛り上がって騒ぎを大きくして一件だった。
なお、先日は、当欄担当者が突然の肉離れで会社に来られず、欠場とさせていただきました。失礼。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM