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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

目標破れ、ソフトバンク・千賀滉大は強くなる

 

これまで相性の良くない仙台での粘投で自身3連勝とした千賀


 悔しさを内に秘め、2018年開幕投手が“レベルアップ”を感じさせている。

 5月15日の楽天戦(楽天生命パーク)に先発した千賀滉大は、決して調子は良くなかった。コントロールが定まらず、めずらしく2死球も与えた。それでもこの日最大のピンチを招いた6回一死満塁の場面では、代打の内田靖人を150キロのストレートで1球で遊飛に仕留めると、次の代打・渡辺直人からはフォークで空振り三振。7回1失点で今季3勝目を手にした。

「ケガをせずに、1年間先発ローテーションの柱として投げ抜くこと」

 それは千賀の今シーズン最大の目標だった。開幕前、開幕投手・千賀滉大について話を伺った斉藤和巳氏(元ホークス)も、鷹の未来を担うであろう後輩へ、フルシーズン戦うことの重要性を説いていた。

 しかし開幕早々、右ヒジ周辺の強い張りで離脱を余儀なくされた。当初は最短で復帰する予定も、状態を優先し見送りに。首脳陣の復帰延期の決断の裏には、千賀自身の「戻るなら万全の状態で。再びの離脱は許されない」という気持ちも感じられた。

 その後、満を持して5月1日のロッテ戦(ZOZOマリン)で復帰すると、最速153キロの直球にスライダーが冴え、2ケタ10奪三振。7回116球、1失点で今季初勝利を挙げた。次登板の8日の西武戦(県営大宮)では、強雨で視界も足場も悪く寒い中、3割バッターがズラリと並ぶ西武打線を力でねじ伏せ、7回125球、被安打3、無失点で2勝目。2試合連続となる2ケタ10奪三振だった。

 そして、冒頭の楽天戦につながる。これまで仙台での通算成績は10試合に登板し、2勝2敗ながら防御率は6.34。今季2戦目でも3回2/3、6失点とKOされた“鬼門”の地で、気迫の投球で、見事リベンジを果たしたのだ。

「(いまは)投げられているというだけで気持ちは明るくなる」

 開幕投手を千賀に決めた理由を工藤公康監督は「もう一つ上のレベルで、ホークスを引っ張っていく投手になってほしい」と語った。“もう一つ上のレベルで――”。シーズン完走は叶わなかったが、指揮官が託した思いを、千賀は自分なりに形にしようとしている。

文=菅原梨恵 写真=井沢雄一郎

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