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スカウト絶賛!高校通算52号を放った花咲徳栄・野村佑希

 

ズバ抜けている素質


花咲徳栄高の四番・野村佑希は専大松戸高との関東大会1回戦(5月19日)で高校通算52号を放った


 逆方向への鋭い打球に、ネット裏のNPBスカウト陣はうなった。花咲徳栄高の四番・野村佑希(3年)が専大松戸高との関東大会1回戦で右越えへライナー性の当たりを、ライト芝生席まで運んだ。

 3点(3対6)を追う3回表に飛び出した追い上げのソロ。花咲徳栄高はその後も一時、4点ビハインド(5対9)の展開だったが、終盤2イニングで大逆転(14対9)して、初戦突破を果たしている。

 高校通算52本塁打。やや甘い初球の真っすぐを見逃さない「好球必打」の姿勢が吉と出た。

「インコースを攻めてくることが予想されたので、外角を自分のポイントまで引き付けて打ち返す練習を積み重ねてきた。少し詰まりましたが、押し込んだ感じです。打撃の内容よりも、あの場面で打てたのが良かった」

 第1、3打席の安打も初球をたたき、ファーストストライクをしっかりと仕留めている。

 野村は昨夏の甲子園、2年生四番(一塁)として全国制覇を経験。同秋以降は146キロ右腕としてもポテンシャルを発揮してきたが、この春先は三塁に専念している。185センチ(90キロ)の大型三塁手に、プロ関係者は絶賛の声を上げる。

「長距離バッターの第一条件である、ボールを乗せる技術がある。インからバットが出て、押し込む力。野手(のドラフト候補)が少ないだけに面白い」(広島苑田聡彦スカウト統括部長)

「素質的にズバ抜けている。大学生、社会人を含めても、野手ではトップクラス」(中日中田宗男アマスカウトディレクター)

「確実性が上がっている。右に一発打てるようなバッターは少ないので、魅力的な選手です。夏まで追いかけていくことになるのは、間違いない」(オリックス中川隆治アマチュアスカウトグループ長)

 野村は自身の進路決定の前に、やるべき仕事がある。この日の関東大会開会式では、昨夏の甲子園で手にした深紅の大旗を、観衆の前で披露。背番号5は決意を新たにした。

「全員で返還します!!」

 頼もしいキャプテンが4年連続での埼玉代表(今年は第100回記念大会のため、埼玉は南・北大会。花咲徳栄高は北埼玉)を固く誓った。

文=岡本朋祐 写真=中島奈津子
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