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2018パ・リーグ6球団の先発ローテーション事情は?

 

優勝するためには、“そこ”が十分に機能していなければいけない。最低でも6枚が必要な先発ローテーション。しかし、開幕から2カ月近くも経てば、さまざまなアクシデントが生じて、当初とは違う形になっている。パ・リーグ6球団の“先発ローテ”事情を見ていこう。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 強みである先発3本柱の出来が、チームの低迷に直結していると言っていい。最も安定感があるのは岸孝之で、ここまで3勝を挙げ、防御率も1点台をキープ。西武相手に3敗を喫している則本昂大も、ここ2戦はようやくエースらしい投球を取り戻した。問題はもう1人の美馬学だ。昨季11勝の右腕は、ここまで5試合に先発するも0勝4敗と絶不調。一度は登録を抹消されたが、いまだ白星をつかめずにいる。高卒2年目右腕の藤平も序盤で崩れるパターンが多く、14日に登録抹消に。先発投手が足りない状況に陥っている。

埼玉西武ライオンズ



 4月中旬にウルフが右ヒジを痛め、5月初めに左肩の機能低下のため自ら再調整を選んだ菊池雄星と実績ある先発投手が一軍から姿を消していた。しかし、ウルフは交流戦前にも一軍の復帰する見通しがつき、菊池も交流戦2カード目の阪神戦での登板を目指している。ここまでリーグ1位の7勝を挙げている多和田真三郎、開幕直前に阪神から加わって4勝をマークしている榎田大樹、さらに新外国人のカスティーヨ十亀剣と先発ローテーションが盤石となる日は近い。

北海道日本ハムファイターズ



 開幕直後はエースの有原航平をケガで欠いていた影響もあり、ロドリゲス斎藤佑樹らを組み込むなど試行錯誤が続いていたが、4月中旬からは先発ローテーションはほぼ固定。有原、マルティネス、上沢直之、高梨裕稔加藤貴之村田透で回し、特に新助っ人のマルティネスは1試合を除いてすべてクオリティースタートと抜群の安定感を披露している。7年目でブレーク中の上沢も5月16日の西武戦(東京ドーム)で4年ぶりの完封で4勝目をマーク。戦前の下馬評を覆すチーム躍進の陰に、先発投手陣の奮闘がある。

福岡ソフトバンクホークス



 2月の春季キャンプを前に先発5人(和田毅千賀滉大、東浜巨、武田翔太バンデンハーク)は固まっていると工藤公康監督は明言したが……。気が付けば和田が左肩の違和感で開幕に間に合わず、千賀は5月19日に右前腕の張りで早くも2度目の戦線離脱。武田が2試合連続の完封、和田の不在で空いた穴を埋めた石川柊太がリーグ2位の6勝(うち1勝は中継ぎ)と引っ張っていたが、直近の試合はどちらも持ち味を発揮することができなかった。頼みの東浜とバンデンハークも被弾が多く、自ら苦しい展開を招くなど、今季も先発陣がこの調子では中継ぎ陣にかかる負担が大きいのも無理はない。

千葉ロッテマリーンズ



 涌井秀章石川歩のダブルエースにボルシンガーを加えた3枚以外は流動的だ。開幕先発ローテーションに入った二木康太酒居知史の若き両右腕は二軍調整が続き、唐川侑己チェン・グァンユウといった実績組も穴を埋め切れず。井口資仁監督はドラ5ルーキーの渡邉啓太、2年目左腕の土肥星也らにもチャンスを与えている状況。それだけに、オープン戦で打ち込まれて開幕前の評価は高くなかったボルシンガーが、もしいなかったらと思うとゾッとする。

オリックス・バファローズ



 開幕投手を務めた西勇輝を筆頭に、山岡泰輔、田嶋大樹、金子千尋アルバースディクソンの6人が先発ローテを守り続けている。ただ、貯金を作っているのは田嶋(5勝2敗)とアルバース(5勝1敗)の左腕のみ。ゲームメークはできているものの勝ち切れない試合も多々あり、金子、ディクソンは4敗で、いまだ白星をつかめず。打線の援護なく試合を落とすケースもあるが、制球を乱してリズムを生めないことも。実績ある2投手が復調すれば、先発ローテが確立されている強みは、さらに生きてくるだろう。

写真=BBM
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