週刊ベースボールONLINE

高校野球リポート

東京都高校野球界の名将4人が率いる“史上初”のキューバ遠征が12月に

 

秋の都大会後にセレクション


東京高野連の選抜チームが今年12月、キューバで遠征試合を行う(左から早実・和泉監督、帝京・前田監督、日大三・小倉監督、二松学舎大付・市原監督)


 表情を見れば、スタッフの強固な信頼関係が感じ取れる。「共闘」を誓いながらも、仲睦まじい会見だった。今年12月、東京都高野連は選抜チーム20人をキューバに派遣し、5試合の親善試合を行う。過去に大学生、社会人の選抜チームがキューバへ遠征したことはあるが、高校で編成されるのは初のことだという。

 遠征の要項が5月26日、東京都内のホテルで発表された。過去に東京都高野連では2011年にロサンゼルス、2014年にミャンマー遠征を実施しており、今回が3度目である。東京都高野連・武井克時専務理事によれば「今年は日本人キューバ移民120周年。(国の)公式行事の一環として扱っていただく」と説明。

 東京高野連・堀内正会長が「全国に名の知れた監督。安心しています」と、指導陣には太鼓判を押す東京都高校野球界の名将4人がチームを束ねる。

 監督には帝京高・前田三夫氏、総合コーチには日大三高・小倉全由氏、打撃兼バッテリーコーチには早実・和泉実氏、投手コーチには二松学舎大付高・市原勝人氏と、まさしく豪華スタッフである。

 堀内会長が会見の冒頭で「5戦全勝」と厳命すると、前田監督は「良い選手を選んで、結果を求めていきたい」と口元を引き締めた。指揮官をサポートする3氏も「前田監督をバックアップして、いい野球ができるように指導していく」(小倉氏)、「元気よく、場を盛り上げて、前田監督を男にする」(和泉氏)、「大監督3人、先輩3人がいる中で20歳をくらい若返った気持ちで頑張る」(市原氏)と決意を語った。

 帝京高と二松学舎大付高は東東京、日大三高と早実は西東京と、今夏も甲子園出場をかけたライバルの間柄であるが、同じチームとなれば話は別。お互いを知り尽くしており、リスペクトしているからからこそ終始、和やかなムードの中での会見だった。

 今回は「勝負」に徹した親善試合のほか、日本とは異なる現地・キューバの文化に直接触れることで、国際感覚を養うことも目的の一つにある。

 選手選考(現在の1、2年生が対象)は、技術だけでなく、人間性も加味して、私学だけでなく、都立高校にもチャンスを広げていくという。秋の都大会後(11月5日)にセレクション(ダイワハウススタジアム八王子)を行い、メンバー20人に絞り込む。温かみのある経験豊富な4人のスタッフの下、球児たちはかけがえのない人生経験を積むことになる。

文=岡本朋祐 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング