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2018セ・リーグ6球団の遊撃手事情は?

 

優勝するためには、“そこ”が十分に機能していなければいけない。内野守備の要である遊撃手。身体能力が高い選手が守り、華麗なプレーでチームを窮地から救うこともたびたびだ。セ・リーグ6球団の遊撃手事情を見ていこう。

読売ジャイアンツ



 プロ2年目の開幕戦は二塁で先発も、この試合で当時の正遊撃手であった二岡智宏(現巨人打撃コーチ)が負傷したことで試合途中に遊撃にポジションを移し、このときから現在に至るまで不動の存在に。昨季は初めて失策を1ケタ(9個)に抑え、「プロである以上はいつかは獲りたい」としていたゴールデン・グラブ賞を初めて受賞した(守備率.987もリーグトップ)。2013年の第3回WBC、17年の第4回WBCと2大会連続で侍ジャパンの正遊撃手。名実ともに日本球界No.1遊撃手である。

広島カープ



 45試合目消化時点まで、田中広輔が全試合、「一番・ショート」でフル出場している。トップバッターとしても、菊池涼介とのキーストーン・コンビとしても、もはやチームに欠かせない存在だ。今季目立っているのは、守備の安定感。昨年は45試合消化時点で9失策していたが、今季は3失策に抑えている。序盤戦、やや調子が出なかった打撃も、5月23日の巨人戦(ひたちなか)で2本塁打を含む3安打するなど、調子を上げてきている。

中日ドラゴンズ



 2014年に井端弘和(現巨人内野守備走塁コーチ)がチームを去って以降、02年から12年にわたって続いた遊撃=井端弘和、二塁=荒木雅博(途中、2年で逆のパターンあり)のアライバコンビが解体。14年、15年は助っ人のエルナンデス、16年は堂上直倫が遊撃を守ったが、完全に定着とまではならなかった。17年もキャンプ時点では固定されていなかったが、新人の京田陽太が攻守走にわたる活躍で、序盤戦で先発の座をつかむと、シーズンを通してその座を守り抜き、新人王を獲得。今季もここまで全試合で先発出場を続けている。

横浜DeNAベイスターズ



 今季からFA移籍で大和が加入。当初は昨季までの正遊撃手の倉本寿彦とのコンビで、状況に応じて二遊間を入れ替えながらの起用が模索されていた。しかし、開幕後はほぼ全試合で大和が遊撃を守っている。大和はここまで43試合(5月26日時点)で失策7(守備率.965)と“名手らしからぬ”プレーもある。とはいえ、三遊間のヒット性の当たりをアウトにするなど、守備での貢献度は計り知れない。将来の遊撃手候補としては高卒2年目の大河がファームで技術を磨き、一軍デビューに備えている。

阪神タイガース



 開幕当初は二塁に鳥谷敬を入れたことで、打撃を生かして糸原健斗が遊撃の座に入った。しかし、4月後半に入っても鳥谷の打撃が上がらないことからスタメンから外し、糸原を二塁へ。そこで守備に定評があり、足の速い植田海を抜てき。打撃で結果を残し、塁に出れば数多く盗塁を成功させたことで遊撃定着となった。守備力はチーム屈指で安定感は抜群。攻守走ともに試合を重ねるたびに確実に成長を見せている、今後が楽しみな遊撃手だ。

東京ヤクルトスワローズ



 開幕スタメンの座を射止めたのは高卒3年目の伸び盛り、廣岡大志だった。4月7日の巨人戦(神宮)では驚異の5打数5安打をマーク。これには小川淳司監督も「なかなか5本は打てない」と目を丸くした。しかし次第に打撃の調子を落とし、守備でもミスが散見された。我慢強く起用を続けていた指揮官もついに決断し、5月21日に登録を抹消。代わってショートに定着したのは西浦直亨だった。昨季は打率.208と低迷したが、今季は5月26日時点で打率.291と進境を示している。昨季までの正遊撃手・大引啓次の復帰後も、遊撃の定位置を譲っていない。

写真=BBM
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