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低迷する名門・法大の救世主!2日連続勝利を挙げた1年生右腕・三浦銀二

 

自己最速を2キロ更新する150キロをマーク


法大の1年生右腕・三浦は明大との最終カードで2日連続での救援勝利(写真は6回無失点に抑えた2回戦)を挙げている


 低迷する名門・法大に救世主の誕生だ。

 2012年秋以来、優勝から遠ざかり、今春も開幕2カードで勝ち点を落として、早々にV戦線から脱落。3カード目の東大戦で唯一の勝ち点を挙げ、5月26日、明大との最終カードを迎えた。

 法大は優勝の可能性を残していた明大との1回戦で先勝(試合のなかった慶大の秋春連覇が決定)し、2回戦も連勝して意地を見せた。

 このカード、救援で2勝を挙げたのが1年生・三浦銀二(福岡大大濠高)だった。1回戦は追いつかれた9回表からリリーフすると、その裏にチームはサヨナラ勝ち。1/3イニングを8球でリーグ戦初勝利が転がり込んできた。

 一方、2回戦は2対3の4回からリリーフ。今春、左ヒジ痛から復帰して、1年春以来の先発を務めた左腕・森田駿哉(4年・富山商高)から継ぐ2番手だっただけに「森田さんに負けをつけるわけにはいかない」と、リズム良く投げ込み、5回の逆転(4対3)につなげた。

 大学入学以降、最長となる6イニングを投げて2安打無失点に抑え、2日で2勝を挙げた。最終回は先頭打者に四球を与えたものの「流れはウチ。失投をしても大丈夫。根拠のない自信があった」と、次打者を併殺に仕留めて、強心臓ぶりを見せている。

 昨春のセンバツで8強進出。また、9月には侍ジャパンU-18代表の一員として、U-18ワールドカップ(カナダ)では銅メダルを獲得。申し分のない実績を誇り、大学でも「即戦力」となっている。

 この日は自己最速を2キロ更新する大台の150キロを計測した。「(表示を)見ていました!! スピードに関しては意識していないが、相手を威圧する意味では変わってくる」と手応えを口にした。

 U-18のメンバーでは立大・川端健斗(秀岳館高)が2勝、早大・徳山壮磨(大阪桐蔭高)と明大・磯村峻平(中京大中京高)がともに1勝を挙げている。三浦は「同世代には負けたくない」と、ライバル心をむき出しにする。

 昨年の侍ジャパン8投手のうち、3人がプロ入りし、今春は登板のなかった法大・山下輝(木更津総合高)を含め、5人全員が東京六大学の各校へ進学している。

「先発で1勝したいです!!」

 法大は東京六大学リーグ戦において、早大の最多優勝45度に次いで44度の優勝を誇る。6年、栄冠から遠ざかっていることから、在籍する部員でVの味を知る者はいない。

「1シーズン、ベンチに入って投げたことは大きな自信になった」と三浦。この秋にも、法大のエースに名乗りを上げ、フル回転を固く誓う。

文=岡本朋祐 写真=井田新輔
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