今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 尾崎が8連続奪三振
今回は『1962年5月14日号』。定価は40円だ。東映の17歳ルーキー、
尾崎行雄旋風が止まらない。
4月29日平和台での対西鉄ダブルヘッダーでは、2試合ともにリリーフで最後まで投げ切る。第1試合は4イニングを投げ打者12人から8連続を含む10奪三振。最後の打者が三振なら9連続の最多タイ記録になったと聞くと、
「えっ!ほんまですか。ちっとも知らなかった。えらく損したわ」と言って笑った。
さらに2試合目は3イニング、打者10人に投げ5奪三振で2試合連続の失点0。2試合目は勝利投手にもなり、これで無傷の5勝目だ。
東映は、この前日28日の同カードも
土橋正幸の完投勝利で物にしており、2位の西鉄に3連勝。ゲーム差を4.5とした。東映・
水原茂監督も「西鉄さんも痛いだろうな。この3勝は大きいよ」とニンマリ。なお、土橋はこの1勝でプロ野球34人目の100勝投手となっている。
4月29日時点のセの首位は
三原脩監督率いる大洋だったが、ホームラン30本は確実、三冠王も狙えると期待され、メガトン打線の目玉だった新外国人マックは大不振。ヒジ痛もあって29日の試合ではスタメンから外れた。いまだホームランは0だ。
期待といえば、2人の米球界時代を知る近鉄のミケンズ投手が「マックが30本ならハドリは50本打つよ」と言っていた南海のハドリがついに来日。打撃練習で場外弾を連発した。謙虚な性格らしく、シーズンの目標を聞かれると、「2割8分は打てると思っている。ホームランは何本打てるか分からない」と話している。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM