この年の打者・井川は9安打、打率.141だった
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月6日だ。
2002年、日韓ワールドカップの開催によってプロ野球も飛び飛びの変則スケジュールが組まれた。これでペースを狂わされたのが、
星野仙一新監督率いる
阪神だった。
5月31日時点で2位に0.5ゲーム差の首位だったが、6月はなんと4勝13敗で、6月30日の試合終了時点では首位に4.5差の3位となってしまった。
足を引っ張ったのが月間防御率4.89と崩れた投手陣。ただ、勝敗こそ1勝2敗ながら防御率2.03と一人踏ん張ったのが、熱烈なサッカーファン(マニア)として知られた
井川慶だ。
プロ5年目。前年一軍定着し、9勝13敗の成績を残していた売り出し中の左腕。この年は開幕投手で完投勝利を飾り、7勝2敗。防御率1.89で6月6日大阪ドームでの
広島戦を迎えた。
6月4日、日本代表の初戦、ベルギー戦もあって3日試合が空いた後の再開ゲームだったが、井川は期待に応え、被安打3で、この年3度目の完封勝利。この時点での8勝、防御率1.69、奪三振84はすべてリーグトップだった。
さらに打ってもプロ初の2安打。この年の井川は、夏場に勝ち運に見放されたが、14勝9敗、防御率2.49。虎のエースと認められる結果を残した。
ちなみに……この日の横浜戦で登板予定だった
ヤクルト・
藤井秀悟は風邪のため登板回避。4日の日本─ベルギー戦を観戦した際、発熱したという。9日のロシア戦のチケットももっていたらしいが、
伊東昭光コーチは「行かせません」と語気を強めた。
藤井の名誉のために言えば、日本代表の試合に観戦に行ったプロ野球選手は少なくない。しかも、ロシア戦の視聴率は66.1パーセント。あのときは本当にすごかった。
写真=BBM