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2018パ・リーグ6球団の三番打者事情は?

 

優勝するためには、“そこ”が十分に機能していなければいけない。クリーンアップの一角を占める三番打者。チャンスを作れ、勝負強さもあるスラッガーが座り、チームにとって要となる打順だ。パ・リーグ6球団の三番打者事情を見ていこう。

北海道日本ハムファイターズ



 自身初の首位打者と夢の「4割」を目指す近藤健介が、好調日本ハム打線の三番にどっかと座る。4月に右足の筋挫傷で戦線離脱している間は一時的に西川遥輝、アルシアが担ったが、復帰後は近藤が不動の三番として君臨している。打率は3割5分を大きく超え、OPSもチーム断トツでトップの1.033(6月2日現在)。二番に大田泰示を置いている超攻撃型のラインアップも、三番に近藤がいるからこその配置。シーズンが終わったときに覚醒した24歳のヒットメーカーがプロ野球史に名を刻む驚異的な数字を刻んでいたとしても、何ら不思議ではない。

埼玉西武ライオンズ



 辻発彦監督は開幕から一番・秋山翔吾、二番・源田壮亮、三番・浅村栄斗、四番・山川穂高の流れを決して崩さない。打線の要として、この4選手を信頼していることが見て取れる。浅村は開幕から好スタートを切り、超強力打線をけん引。3.4月の24試合で24打点をマークしたが、5月は一転、同試合数でわずか9打点。チームが失速した一因となったが、月が替わっても6月は1日、2日の阪神戦(メットライフ)で無安打。3日の同カードでようやく1安打1打点をマークしたが、再び上昇気流を描いてみせる。

福岡ソフトバンクホークス



 今季も開幕から三番に座った柳田悠岐が好スタートを切り、4月21日以降は打率3割超をキープ。5月24日の西武戦(ヤフオクドーム)からは故障離脱した内川聖一に代わり、四番としてチームをけん引している。柳田に代わって三番を任されたのが中村晃だ。同日時点ですでに一、二、五、六番を経験。どの打順を任されても器用にこなし、役割を全うする中村晃なら三番起用も問題はない。柳田の前に打って良し、粘って良しの中村晃が入ったことで相手バッテリーに与えるプレッシャーは大きくなった。また、6月3日のDeNA戦(ヤフオクドーム)では松田宣浩が三番へ。2本塁打を含む3打点と、この起用は松田自身にとってもチームにとっても良いスパイスとなった。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 なかなか打線がつながらず、得点力不足が最下位低迷の一因となっている楽天。三番打者を定着できないのも頭が痛い問題だ。ここ3試合で三番に抜てきされているのは田中和基。立大卒でプロ2年目の外野手で、もともとの売りは走塁と守備だが、今季はここまで4本塁打とバッティングでアピール中だ。5月26日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から6試合連続で打点をマーク。借金がかさむチームに現れた伏兵が救世主となれるか。

千葉ロッテマリーンズ



 開幕から中村奨吾が「三番・二塁」にどっかりと座り、攻撃陣の軸となっている。今季は大学時代から慣れ親しんだ二塁を任されたことで「落ち着いてプレーできている」と守備の安定が打撃にも好影響を与え、持ち前の積極的なバッティングが完全開花。仕上げ役としてだけではなく、一番・荻野貴司、二番・藤岡裕大が不振に陥った時期は自慢の足も生かしチャンスメーカーとして打線を活性化させる。“背番号8”は攻守走でチームに欠かせぬ存在となっている。

オリックス・バファローズ



 日替わりオーダーを組む中で唯一、“固定”されていると言っていいのが吉田正尚だ。54試合のうち37試合が三番での出場。三番以外でも一、二、四、五番と打線の“軸”としてチーム唯一の全試合出場を果たしており、チームトップの打率.294、31打点を記録するなど、低調な打線をけん引している。期待される一発は8本と量産には至っていないが「僕はホームランバッターではない」と言う背番号34が目指している「幅の広い打撃」で、得点力不足に悩むチームを支えている。

写真=BBM
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