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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

DeNA剛腕サウスポーは「毎日投げたい」

 

チームでは「エスキー」と呼ばれ愛される。移籍2年目を迎え、完全にDeNAに溶け込んでいる


 撮影しながらインタビューをしていると、「そういえば、このアンダーシャツで大丈夫か?」とエスコバー。首元の「52」を指さして「ホソカワ(細川成也)からのプレゼントだよ」と愛嬌のある笑顔を見せた。

 今季、DeNAの中継ぎで奮闘する助っ人左腕は、ここまでセ・リーグ最多の28試合に登板して防御率2.08(6月5日時点)と安定した投球でチームを支えている。黒羽根利規とのトレードで日本ハムから移籍してきたのが昨年7月。一時は先発も経験したが、シーズン終盤からは中継ぎとして働き、ポストシーズンではCSで5試合、日本シリーズでも4試合に登板するなど存在感を放った。現在は、中継ぎというポジションに誇りとやりがいを感じながらマウンドに上がっているようだ。

「先発は登板する試合は“自分が主役”だと思って投げる。でも中継ぎはいつ呼ばれるか分からないし、1球で試合が終わることもあれば、登板がないことだって多い。自分の中では、今は中継ぎのほうがやりやすいと感じているよ」

 武器は常時150キロを超える威力ある真っすぐだが、今季はスライダー、チェンジアップの精度が上がっていると言う

「今まではストレートだけに頼っていたけれど、今年はすべてのボールに自信がある。ブルペンで投手コーチといろいろ取り組んだ成果だと思う」

 心に引っかかっているのは、昨季ソフトバンクとの日本シリーズ第6戦だ。同点の延長10回からマウンドに上がると、イニングをまたいだ11回一死から連続四球でピンチを招いて降板。代わった三上朋也が二死からサヨナラ打を浴び、DeNAは19年ぶりの日本一を逃し、エスコバーは負け投手となった。

「今年はどんな場面でも投げさせてもらって、すごくやりがいを感じている。信頼してもらっていると感じているよ。どんな形であれ、日本シリーズの舞台に帰りたいと思っているんだ」

 交流戦に入りソフトバンク戦から4連敗と苦戦が続くDeNA。状況は厳しいが、助っ人左腕は「毎日でも投げたいし、投げることで次の日にチャンスがめぐってくる。厳しい場面でも僕は好きだよ」と与えられた持ち場で懸命に腕を振る。目標は「毎試合みんなをサポートしながら、シーズン最後までチームと一緒になって戦い抜くこと」、そして「60試合登板」だ。
文=滝川和臣 写真=大賀章好
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