この年の葛西は最終的には6勝8敗。後ろは野田浩司
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は6月9日だ。
暗黒時代真っ只中で、大きな期待もなくスタートした1992年だったが、開幕から意外や意外の大健闘。
ヤクルト、
広島と首位争いを演じていた。
6月9日は、
中日戦(甲子園)に6対0と勝利し、
阪神が優勝&日本一の85年以来、7年ぶりに単独首位に立った日だ。
この間、89年の開幕日と3日目、90年の開幕戦、さらにこの92年の4月11日と同率首位はあったが、単独首位には届かなかった。
まさに、ついについに、の単独首位だ。
立役者は、被安打2でプロ初完封の
葛西稔。プロ3年目のサイドハンドだ。完封について聞かれ、「8回ぐらいから意識しました。これまで1対0で負けた試合があったでしょ。今度は自分が完投してやろうと思いました」と笑顔で語った。
打では、この年、ケガで離脱した
オマリーの代役でブレーク中の
新庄剛志が3打点。
「ストライクゾーンに来た球を思い切ってたたいています。自分の前にランナーが出てるから、出ていないときより充実しているんですよ」
と声を弾ませていた。この新庄に加え、
亀山努ら若き選手たちが躍動し、優勝は逃すも2位に食い込んだシーズンの出来事だ。
写真=BBM