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週刊ベースボール60周年記念企画

王貞治、一本足打法誕生だが……/週べ1962年7月23日号【225】

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

長嶋茂雄の不振が深刻に


表紙は巨人川上哲治監督


 今回は『1962年7月23日号』。定価は40円だ。

 7月1日、川崎球場での大洋─巨人戦は、巨人の王貞治が初めて「一本足打法」を披露した記念日だが、それを報じるべき時期の発売だった、この号に、王の独特の打法に触れた記事はない。
 ただ、荒川博コーチとの多摩川練習のルポが2ページあり、
「3連敗必至と思われた川崎球場(首位大洋との試合)で、王の一打によって息を引き返したのは記憶に新しい」
 とある。伝説は静かにスタートした。

 巨人では長嶋茂雄の不振が続き、打率は2割6分前後をウロウロしている。
「試合で調子がよくて、結果を出しても、試合が終わって家に帰ると、あしたのことが心配になるんだ。あしたは打てるかな? って。その心配がノイローゼみたいになって翌日は必ず打てないんだ。きょうはよくても、あすがダメになる。こんなのほんとに初めてだよ」
 かなり深刻なスランプのようだ。
 先輩・広岡達朗はこう語る。
「長嶋はかわいそうですよ。バッターボックスに入るたびに打て、と世間から要求されているでしょ。打つたびにヒットが出るはずもないのに。どうしても期待にこたえようと焦る、特にコンディションが悪いときに焦る。かわいそうですよ」

 また、のち阪急ほかで監督となった広島上田利治の話もあった。上田は61年限りで現役引退の資料が多いが、実際には62年もまだ選手登録はされており、二軍のコーチをしながら試合にも出ていたという。これは広島二軍の選手不足とともに、自らマスクをかぶったほうが指導にも役立つという考えでもあった。

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 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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