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週刊ベースボール60周年記念企画

反親分、南海にまさかの内紛が起きている?/週べ1962年7月30日号【226】

 

 今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。

一本足打法の表記はまだ


表紙は左から東映・尾崎行雄巨人長嶋茂雄


 今回は『1962年7月30日号』。定価は40円だ。
 南海・鶴岡一人監督復帰問題は二転三転している。6月29日に球宴後の復帰を発表した鶴岡だが、しばらくすると「あのときはそう言ったが、いまの気持ちとしてはどうなるか分からん」と言い始めた。
 これは南海の主力選手から「親分は勝手過ぎる」「悪いときに逃げ、いいときに戻るのは卑怯だ」という声が出ていたのを知ったかららしい。

 蔭山和夫代理監督が結構激しい。
 親しい記者に「親分は勝手気ままや。せっかくここまでチームを盛り上げてきたと思うておったら、交代せい、という。さんざん人に尻拭いさせておいて。会社側がそういう気なら、ワシもワシのやり方でやるぜ。ピッチャーをつぶしても知らんぜ。選手の寿命なんぞ考えず、ビシビシ使うたるわ」。 

 もともと歯に衣着せずのタイプらしいが、それにしても穏やかではない。
 さらにチーム内でも鶴岡監督休養中に11連勝があったことで、今まで押さえつけられ、隠されてきた鶴岡監督への不満が一気に表面化していたようだ。
「いままでは親分、子分の関係でよかったんやろうけど、いまの時代じゃそんなもん通用せん。しかも、僕らのように戦後の教育を受けたものには、そんな古めかしいことを言われてもピンときませんよ」
 若手の主力選手の言葉だった。戦後17年、確かに戦争は遠くなった……。
 
 中日入りしたラリー・ドビー佐々木信也の連載対談に登場。取材場に到着すると、まずギャラの交渉をしたというからなかなかアメリカンだ。

 メジャーの黒人選手のパイオニア的選手で、2度のホームラン王、1度の打点王に輝く。ただ、すでに59年限りで引退しており、
「2年間でやったのはゴルフだけです。まあ、遊びとしてやっていただけですけどね」という。

 三振したり、いい当たりを捕球されたりすると、ヘルメットを叩きつける癖(?)があったらしい。
 あまり真剣さは感じられず、同じく元大物メジャーとして来日したニュークともどもパッとせず1年で退団した。

 一本足打法で打撃急成長の巨人・王貞治は『一番に定着した王』と特集記事はあったが、フォーム改造については、特に触れられていなかった。

 この年、東映から広島に移籍し、抑えで頭角を現した竜憲一の記事もあった。戸籍上は「龍」だが、「新聞社や雑誌社にいつの間にか竜にされていた」と笑う。ちなみに「長嶋茂雄」もこの時期は「長島茂雄」になっていたが、長嶋に変えた。龍も以後同様にするつもりだ。
 新聞はいまでも簡単な漢字を使うことが多いが、週べは基本球団の登録名に合わせている。悩みは、このオンライン。難しい人名漢字を使おうとすると記号に化けてしまい、みなさんに突っ込まれることも多い。

 以下宣伝。
 週べ60年記念シリーズ『巨人編』『日本ハム編』『阪神編』『ロッテ編』が発売中です。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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