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2018セ・リーグ6球団の新人事情は?

 

チームに新風を吹き込む男たち――。新人選手の躍動はチームにとって大きな力となり、さらに優勝へ向けても欠かせないスパイスだ。果たして現状はどうなっているのか。セ・リーグ6球団の新人事情を見ていこう。

読売ジャイアンツ



 開幕から欠かせない一軍戦力となっているのが小林誠司に次ぐ2番手捕手のドラフト3位・大城卓三だ。春季キャンプ中は二軍で過ごしたが、オープン戦のアピールで開幕一軍をつかむと、代打、試合終盤のマスク、そして先発マスクと堂々の働き。6月10日の西武戦(東京ドーム)では2対2と同点の9回裏一死満塁、代打で打席へ。見事に右翼へサヨナラ打を放った。同じく開幕一軍をつかんだ5位・田中俊太も、1度二軍降格はあったものの、再昇格後は二塁の先発も経験した。そして故障で出遅れていた1位・鍬原拓也が交流戦開幕後から先発ローテーション入り。初勝利はまだだが、しばらくはチャンスが与えられそうで、例年になく新人選手たちの起用が目立っている。

阪神タイガース



 即戦力右腕と言われたドラフト1位の馬場皐輔がいまだ二軍でくすぶっているが、2位の高橋遥人が存在感を示している。しなやかな腕の振りから投じられる140キロ台の真っすぐは、伸びがある。さらに左腕ということで打者に打ちにくさもあり、先発5試合で2勝2敗の成績をマーク。最終的に2ケタ近い勝ち星は挙げそうだ。また、パワー不足と言われていた3位の熊谷敬宥も一軍に昇格し、二軍で20盗塁を決めた足でアピール中。そのほか4位の島田海吏も4月に1試合出場したが、現在は二軍で経験を積んでいる。

横浜DeNAベイスターズ



 ドラフト入団9選手のうち、すでに5人が一軍デビューを飾った。ドラフト7位・宮本秀明、8位・楠本泰史、9位・山本祐大といった下位指名選手も戦力となっており、今季の新人は大豊作だったと言えよう。そのなかでも、1位・東克樹と2位・神里和毅は別格だ。チームトップの5勝をマークする東は、防御率2.01でリーグ2位につけ(6月10日現在)、ルーキーイヤーにしてエース級の働き。外野のレギュラーを争う神里も打率.271、盗塁13(リーグ2位、10日現在)と堂々とした成績。現時点、この2人がセ・リーグ新人王の有力候補だろう。

中日ドラゴンズ



 今季のルーキーで一軍デビューを果たしているのはドラフト1位の鈴木博志だけ。社会人出身(ヤマハ)で、ドラフト時点の即戦力の評価は正しく、開幕から主に8回、つまりセットアッパーを任されている。デビューは上々で、開幕から9試合連続無失点。新人プロ野球記録の10試合にはわずかに届かなかったが、先発投手→鈴木博→田島慎二という勝利の方程式を早々に確立した。交流戦4カードが終了した時点で早くも30試合登板に迫る勢いで、数年後はクローザーを任されるようになるのではないか。

広島カープ



 昨秋のドラフトでは、高校生を主体に指名したこともあり、ルーキーの今季一軍登録はゼロだ。昨夏の甲子園で注目を集めた中村奨成は、ファームで6月9日現在、打率.208で2本塁打。盗塁阻止率も.182にとどまるなど、数字的にはやや苦しんでいる。5月末までは、捕手あるいはDHとして、ほとんどのゲームにスタメン出場していたが、坂倉将吾がファームに戻ってきたこともあり、最近はファームでの出場機会も減っている。

東京ヤクルトスワローズ



 その長打力を最大限に生かすため、プロ入り後に捕手から内野手に転向したのがドラフト1位・村上宗隆だ。6月9日現在、36打点はイースタン・リーグ2位と存在感を示している。まずは二軍で試合経験を積むというチーム方針に応えるような奮闘を見せている。その一方で社会人出身の即戦力右腕と期待された2位の大下佑馬はここまで19試合に登板して防御率4.93とやや苦しんでいる。唯一、一軍デビューを果たしたのは8位の沼田拓巳だが、中継ぎとして1回1失点で防御率9.00。まだ一軍で活躍できる新人は出てきていない。

写真=BBM
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