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林昌範コラム

交流戦首位を快走するヤクルト 好調の要因は「縁の下の力持ち」/林昌範コラム

 

救援陣が強固なチームは接戦に強く白星を積み重ねられる


ヤクルトカラシティー(写真=BBM)


 交流戦も中盤を折り返し、セ・リーグが意地を見せています。先週末の6月9日はセ6球団が全勝。10日も4勝2敗とパ・リーグに勝ち越しました。僕もDAZNとAbema TVでDeNA日本ハム戦(横浜)の解説をさせていただきましたが、DeNAが同一カード3連勝を飾りました。新人の東克樹神里和毅の両選手の活躍が目立ちましたが、三嶋一輝、エスコバー、パットンと救援陣が日本ハム打線の勢いを止めたらからこそ白星を引き寄せたように感じました。

 現役時代に中継ぎで投げていた時期が長かったので、救援陣の活躍に目が行きます。中でも注目しているのが、9勝2敗と交流戦首位の快進撃で一気に上位浮上したヤクルトです。もともと打線はリーグ屈指の破壊力です。好調の大きな要因は救援陣の奮闘ぶりではないでしょうか。

 9日のオリックス戦(神宮)はカラシティー投手が3回からロングリリーフで登板。5回無失点の快投で反撃を断ちました。中継ぎ投手は打たれたときにだけ注目されてしまう過酷なポジションです。技術力とともにタフな精神力が求められる縁の下の力持ちですが、救援陣が強固なチームは接戦に強く白星を積み重ねられます。ヤクルトは中尾輝投手が5勝5ホールドで防御率2.83、近藤一樹投手が13ホールドで防御率1.65、守護神・石山泰稚投手が9セーブで防御率0.91ときっちり結果を残しています。

 12日からパ首位の西武と対戦します。どの打順からも点が取れ、メヒア選手がベンチに控えている破壊力抜群の強力打線は今季計326得点。交流戦でも11試合で72得点、1試合平均6.5得点という驚異の数字が打線の勢いを物語っています。ヤクルト投手陣が西武の「山賊打線」を抑えられるか。勝負のカギを握る中継ぎ陣に注目するのも面白いかもしれません。

記事提供=ココカラネクスト編集部 平尾類
ココカラネクスト編集部

元DeNA・林昌範氏(写真=ココカラネクスト編集部)


●林昌範(はやし・まさのり)
1983年9月19日、千葉県船橋市生まれの34歳。市立船橋高から2002年ドラフト7巡目で巨人入団。06年には自身最多の62試合に登板するなど主に救援で活躍。08年オフにトレードで日本ハムへ移籍した。11年に退団し、12年からDeNAに加入。昨オフに戦力外通告を受けて現役引退した。通算成績は421試合で22勝26敗22セーブ99ホールド、防御率3.49。186センチ、80キロ。左投左打。家族はフリーアナウンサーの京子夫人と1男1女。
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