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球団別オールタイム・ベストオーダー

中日ドラゴンズ 長期戦を戦う戦力が整う強竜軍団/球団別オールタイム・ベストオーダー

 

80年を超えるプロ野球の歴史は、それぞれの球団、それぞれの監督や選手たちが紡いできたものだ。1人1チームを原則に、名将、名選手たちが時空を超えて集結。オールタイムの“優勝チーム”を探してみよう。

同じポジションに四番打者が集中



 3番目の球団としてプロ野球がスタートした1936年から参加。名古屋、産業、中部日本などを経て、名称が中日ドラゴンズと落ち着いた54年に初優勝、そのまま日本一へと駆け上がった。74年には巨人のV10を阻んでリーグ制覇。その後も優勝は88年、99年、21世紀になってからも2004年、06年、10年からは2連覇もあったが、日本シリーズでは苦杯が続いた。

 ただ、07年はシーズン2位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、2度目の日本一に輝いている。そんな中日のベストオーダーだが、歴代の四番打者が同じポジションに集中する苦しい展開になった。

【ベストオーダー】
監督・天知俊一

一(三)立浪和義

二(二)高木守道

三(右)谷沢健一

四(一)西沢道夫

五(捕)江藤慎一

六(左)和田一浩

七(中)大島洋平

八(遊)宇野勝

九(投)杉下茂

 一塁には日本一イヤーの四番打者だった西沢道夫、60年代を支えた“闘将”江藤慎一、70年代から2度の優勝に貢献した谷沢健一、90年代から長く活躍した山崎武司が重なる。江藤と谷沢は外野も守ったが、ともに左翼がメーンだった。内野も外野もこなし、内野手としては一塁、外野手としては左翼が多かったのが大島康徳大豊泰昭。一塁にはT.ウッズや和田一浩がいる。大島は三塁も多く守ったが、三塁を経験した四番打者では宇野勝、落合博満、立浪和義。いずれも多彩で甲乙つけがたい好打者で、実際の打順や守備経験をベースに“玉突き”しなければならない。

 草創期からのレジェンドでもあり、一塁の次に多いのが投手という西沢を一塁に残す。左翼しか守らなかったのが和田。江藤は本職の捕手に据え、76年だけ正右翼手だった谷沢を右翼に回した。右翼には59年に本塁打王、打点王の打撃2冠に輝いた森徹、07年まで中心選手だった福留孝介もいるが、森は優勝経験がなく、福留は阪神の現役選手。落合も三冠王3度のロッテ時代が個人成績では全盛期だ。76年に代打で7本塁打を放ち、現在もプロ野球記録として残る大島は、あえて控えに温存。宇野は本職の遊撃に。遊撃や二塁、外野もこなした立浪が三塁に残った。

 打順は立浪と谷沢、江藤が若手時代の一番、三番、五番。五番打者のイメージが強い和田だが、現役終盤に増えた六番に。宇野も若手時代の八番に回ったが、下位に宇野のような豪快な強打者がいると、相手チームにとっては厄介かもしれない。大豊と山崎は控えに回ったが、大島と3人の本塁打王が代打の切り札でいるのも心強い。同様に、泣く泣く控えとなったのが右翼手の田尾安志。82年のリードオフマンで、首位打者も争った巧打者だ。

 中堅手を争うのが日本一イヤーの一番打者だった本多逸郎、同じく一番打者で低迷期を引っ張った中利夫(三夫など)、そして現役の大島洋平だ。中は優勝経験がなく、迎えた18年、本多の通算試合出場を超えた大島をセレクト。大島は落合監督時代も経験しており、打順は連覇の11年に多かった七番に入った。

『燃えよドラゴンズ!』に歌われた一番打者ではなく、中の後を打っていた若手時代の二番に回ったが、二塁を譲らなかったのが高木守道だ。遊撃には“ヘディング”のインパクトが強烈すぎる宇野だが、決して遊撃守備が拙かったわけではない。高木の名人芸でもあるバックトスを巧みに受ければ名誉挽回もできそうだ。もし噛み合わなくても二遊間には荒木雅博井端弘和の“アライバ”もいるから、フォローアップも万全と言えるだろう。

最強のリリーフ陣


中日・与田剛


 江藤が正捕手を務めたと言えるのは62年だけ。太平洋では兼任監督も務めた“闘将”はキャプテンシーも兼ね備えているが、リード面が盤石とは言い難い。中日で兼任監督となった谷繁元信もいるが、唯一のベストナインは横浜時代で、この谷繁を外しても、リードと強打を両立できる捕手がそろっている。

 古くは日本一イヤーの正捕手だった野口明。プロ野球の草創期を支えた野口4兄弟の長兄で、中日だけでなくプロ野球界のレジェンドとも言える存在だ。首位打者を争う打撃と緻密なリードで巨人のV9を阻んだのが木俣達彦で、“マサカリ打法”でセ・リーグの捕手として初めて30本塁打を超えた強打の司令塔。82年にMVPとなったのが俊敏な動きと“一休さんヘルメット”で捕手像を一新した中尾孝義だ。強肩強打と投手からの絶対的な信頼感で2度の優勝に導いた中村武志もいる。打撃では江藤が筆頭だが、強打者が並んでいるだけに、リード面に比重を置く余地はある。

 エースは“涙の日本一”の立役者となった杉下茂だ。通算勝利で杉下を超えたのが中日ひと筋で50歳まで投げ続けた山本昌(山本昌広)。中日ひと筋では権藤博星野仙一もいるが、ともに他のチームで優勝監督になっている。

 右腕では70年代から80年代にかけて剛速球で沸かせた鈴木孝政小松辰雄や00年代の川上憲伸、左腕では最多勝となる20勝で巨人のV10を阻んだ松本幸行や93年に最多勝となった今中慎二、99年MVPの野口茂樹もいて、スターターは左右に盤石だが、リリーバーもそろっているのが中日の特徴だ。

 88年MVPの郭源治、剛速球で鳴らした与田剛、99年のクローザーだった宣銅烈に、通算セーブでトップを走る岩瀬仁紀、11年にセットアッパーとして初めてMVPに輝いた浅尾拓也らが並び、控え捕手とともに、ブルペンの充実ぶりは最強と言えそうだ。

 勝ちパターンは明確で、長期戦を勝ち抜く戦力も整い、バランスも抜群。そんなチームを、“涙の日本一”の天知俊一監督が率いる。

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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