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大学野球リポート

「チームのための積み重ね」。大学選手権で首位打者に輝いた慶大主将の努力する姿勢

 

リーグ戦ではベストナイン受賞


慶大の主将・河合は大学選手権で首位打者(打率.636)を獲得した


 東北福祉大、14年ぶり3度目の日本一で幕を閉じた全日本大学選手権。閉会式に一人で出席する慶大主将がいた。河合大樹(4年・関西学院)は11打数7安打、打率.636で首位打者を獲得。チームは準決勝で東北福祉大に惜敗したが、個人タイトルに「こんな賞をいただいた経験がないので、光栄です」と笑顔を見せた。

 3年秋までにリーグ戦通算6安打。昨秋のリーグ優勝時も代打出場が主で、定位置奪取は高いハードルだった。今年のチームは3年生以下が中心。だが、就任4年目の慶大・大久保秀昭監督は「今年の4年生は一番、まとまりがある」と評価していた。グラウンドでプレーする最上級生は少ないかもしれないが、チーム運営上の結束力は抜群。その象徴がキャプテン・河合だった。しかし、厳しい生存競争により、チームリーダーであっても、レギュラーが保証される立場にはない。入学から3年間、人一倍の努力を重ね、左翼のポジションを自らの手でつかんだ。

 リーグ戦では2位の打率.389で初のベストナイン受賞も果たし、27年ぶりの連覇に大きく貢献した。大学選手権でも好調を持続させ、ついに首位打者へと駆け上がった。「チームのため、チームため。その積み重ねです」と河合。「高校時代の実績はないですし、大学でもメンバー入りさえも、なかなかできなかった。練習を積み重ねてきた成果だと思います」。慶大は優勝こそ逃したが、主将のタイトルは、チームを代表してのご褒美のような気がする。

 河合は大学で、野球に一区切りをつける。つまり、真剣に白球と向き合うのは、この秋が最後だという。

「秋に3連覇、日本一(明治神宮大会優勝)を遂げ、後輩たちに継いでいきたい」

 今春、リーグ戦、大学選手権を通じて16試合で28安打を量産した。努力する姿勢を日吉グラウンドで見せ続け、神宮では形として残した河合の功績。慶大だけにとどまらず、全国の大学生プレーヤーの励みとなったはずだ。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳
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