今年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永く、お付き合いいただきたい。 金田正一の二刀流
今回は『1962年10月15日号』。定価は40円だ。
パ・リーグではついに東映が優勝を決めた。V決定は9月30日、午後14時15分だった。近鉄がマジック対象の南海にサヨナラ勝ち。この日、大毎とのナイター予定だった東映ナインは、まだ球場に向かっていなかった。
名物オーナー、大川博は自宅で一報を聞き、すぐ特注の背番号100のユニフォームを着て新聞社のカメラに収まった。
その後、「優勝東映フライヤーズ! ご声援ありがとうございました」と書かれた旗をつけた貸切バスで選手たちは東京スタジアムへ。試合は延長10回引き分けとなった。
祝勝会は大川邸。選手バスが着いたのは、すでに深夜23時15分で。およそ30分ほどの短い宴となったが、背番号100の大川オーナーの胴上げもあった。
さらりと18歳になった
尾崎行雄が「ビールをぐいぐい飲み」と書いているが、これはまあ、OKな時代なのだろう。
「死にウマが蹴飛ばしてる」「イタチの最後っ屁」と散々な言われようだが、ダントツ最下位国鉄が9月19日から5連勝。エース、
金田正一がすごい。19日が9回、22日が11回1失点完投勝利は当然かもしれないが、22日、0対1の8回に代打2ラン、25日も代打で先制適時打。砂押邦信監督も「金田に勝たせてもらった」と笑顔を見せた。
同年の国鉄はまだ10試合を残していたが、金田はこれで登板終了。22勝17敗、防御率1.73でフィニッシュした。
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では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM