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CULTURAL REVIEW about Baseball

【CARD】嗚呼、南海ホークスの巻/CULTURAL REVIEW about Baseball

 

『HH18 さらば大阪球場』


BBM福岡ソフトバンクホークス ベースボールカード2018『HH18 さらば大阪球場』


 間もなく発売となるソフトバンクのチームカードに「ホークスヒストリー」と題されたサブセットが投入されています。これは先に発売された「ホークス80周年カード」中にあったサブセットを引き継いだもので、今回は1969〜88年の20年分が9枚のカードで紹介されています。

 鶴岡一人監督が退いた翌年から南海最後の年までというこの時期は、ホークス苦難の時代となりました。球団の年度別成績を見ると、鶴岡監督時代は1位か2位がほとんどなのに対し、野村克也監督が退任して以降の11年間は5位か6位ばかりとなります。

 試しに計算してみると、鶴岡監督時代の23年間は勝率.609、野村監督の8年間は.521、最後の11年間は.416と恐ろしいほどの凋落ぶり……。カードの枚数があるので野村監督以降の各監督時代も紹介されていますが、後続の広瀬叔功ブレイザー穴吹義雄杉浦忠の各監督も結果を残せず、あれもダメこれもダメの連続でカード裏の原稿を読むのがつらくなります。

「オレの目の黒いうちはホークスは売らん」と言っていた川勝傳オーナーが88年4月に亡くなると、あっという間に身売り話が進行し、今回掲載の大阪球場での最終戦を迎えることになるのです。

 同年の10月15日(あの10.19のわずか4日前!)の近鉄戦は、西城秀樹のコンサートでしか満員にならないと言われていた大阪球場が満員に。試合後のセレモニーで杉浦監督が「行ってまいります」とスピーチし、ホークスは福岡に転じ、30年前がウソのような強豪チームに生まれ変わったわけですが、こんな歴史があったことも知っておいてもらいたいものです。

文=しゅりんぷ池田(スポーツカードライター)
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