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プロ野球仰天伝説

親会社の株価も上げた社会現象「ホーナー効果」/プロ野球仰天伝説183

 

長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。

現役バリバリのメジャー・リーガー


ヤクルト・ホーナー


 1987年、春。バブル景気に沸く日本列島に、ひとりのメジャー・リーガーが舞い降りた。

 ボブ・ホーナー。メジャー通算215本塁打。デビュー以来、1度もマイナー経験のない強打者が、FAの末にヤクルトの一員となった。

 過去にも通算200本塁打以上の実績を携えて海を渡ったメジャー・リーガーはいたが、その多くが全盛期を過ぎてからの来日だったのに対し、当時29歳のホーナーはアトランタ・ブレーブスの中軸として86年にも27本塁打を記録していた。

 4月27日、成田空港で約200人に及ぶ報道陣の出迎えを受けたホーナーは、5月5日の阪神戦(神宮)でデビュー。その3打席目に仲田幸司から初本塁打を放つと、翌6日には池田親興から衝撃の3本塁打。さらに4試合目にも2本塁打と、実力を存分に発揮していく。

 ホンモノのバッティングは観客動員のみならず親会社の株価も上昇させる。「ホーナー効果」という名の社会現象。

 その後、四球攻めにより本塁打ペースは鈍化。腰の故障もあり最終的には31本塁打にとどまったが、数字以上のインパクトを残し、ホーナーは同年限りで退団した。

 野球文化や慣習の違いに対する「地球の裏側にもうひとつのベースボールがあった」という言葉も話題を呼んだ。

写真=BBM
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