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CULTURAL REVIEW about Baseball

【MUSIC】高橋優『プライド』「がんばろう系」の野球選手に捧げる。/CULTURAL REVIEW about Baseball

 

高橋優『プライド』


昨年7月26日の中日戦(神宮)でサヨナラ本塁打を放ったヤクルトの大松


高橋優『プライド』作詞・作曲:高橋優


 NHK Eテレの野球アニメ『メジャーセカンド』のエンディングテーマ。歌っているのは高橋優。私が彼を知ったのは、2012年の傑作映画『桐島、部活やめるってよ』の主題歌=『陽はまた昇る』である。映画の印象も相まって、新しい才能の誕生を確信。その後もシングル曲はチェックしてきた。

 苦手に思ったのは、この曲も含め、「がんばろう系」の歌詞が多いことだ。「がんばろう系」とは、人を励ます内容ということで、KAN『愛は勝つ』(1990年)の昔より、Jポップのヒット曲の大勢は「がんばろう系」だと言っていい。

 だから高橋優が、そういう曲を歌っても不思議はないのだが、あの金属的なハリのあるボーカルは、もっといろんなテイストの曲を聴きたいと思わせるのに十分なのだ。

 と、「がんばろう系」についてひと言、言ってしまったが、こと、野球に関係した音楽に限れば「がんばろう系」は、とても似つかわしい。そして、この曲の歌詞のように、「チキショー」と叫ぶ「プライド」を持つ選手を探してしまう。

 思いつくのはスワローズの大松尚逸である。マリーンズファンとしては、低迷期(今も?)を支えた大砲として印象深い。マリーンズを自由契約となり、昨年スワローズにテスト入団。そして昨年7月26日、神宮での対ドラゴンズ戦で、代打サヨナラ本塁打を打ち、10点差からの大逆転試合を演出した。

 感じたのは。大松尚逸の「チキショー」と叫ぶ「プライド」だ――。

「がんばろう系」の音楽は苦手だが、「がんばろう系」の選手は大好きだ。

文=スージー鈴木(野球文化評論家)
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