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セ・リーグ6球団の最多勝利投手は?

 

3月下旬に始まったシーズンも間もなく折り返し地点に差し掛かるが、各球団で現在の最多勝利投手はだれなのか? エースが順調に白星を稼いでいるのか、それとも思わぬ投手が台頭しているのか。パ・リーグ6球団の最多勝利投手を見ていこう(記録は6月24日現在)。

10勝=広島・大瀬良大地



 大瀬良大地がひと皮むけて、ハーラーダービーのトップを走る大活躍だ。今季は左足を揺さぶりながら上げるように変えたことで、いったんしっかりと右足に重心を乗せる形を会得、ボールのキレ、コントロールとも良くなり、自分のペースで投球を展開できるようになってきた。途中7連勝もあり、6月22日には両リーグ通じ10勝一番乗り。自らのシーズン最多勝利にも並び、あとはキャリアハイを更新するだけだ。

8勝=巨人・菅野智之



 昨季は17勝を挙げて沢村賞ほか8つのタイトルを手にした菅野智之が当然の勝ち頭(8勝)で、4年ぶりのV奪回を目指すチームをけん引している。リーグトップの防御率2.13もさることながら、5完投、3完封、10QS、さらには94奪三振のいずれも同トップで、投手分業制の現代にあって、先発完投を当然とする頼れるエースだ。昨季はこの菅野を含め、M.マイコラス(現カージナルス)、田口麗斗と3本柱が確立していたが、田口の不調もあり、続くのも6勝の山口俊だけ。エースに掛かる負担が増えることだけが懸念材料だ。

8勝=中日・ガルシア



 190センチの長身、ヒゲに金髪モヒカンといういかつい外見とは裏腹に、ピンチを背負っても粘り強く丁寧(制球に難はあるが……)に投げ抜くガルシアがチームの勝ち頭。森繁和監督自身が昨オフにドミニカ・ウィンターリーグを視察して獲得した左腕で、雨天中止の影響で1試合の中継ぎ登板はあったものの、開幕から先発ローテーションを守っている。12試合の先発で8勝(3敗)はもちろんのこと、8QSと試合を作る能力も抜群。チームはいまだ借金生活で2位から6位を行ったり来たりだが、助っ人左腕がいなかったらと考えるとゾッとする。

8勝=阪神・メッセンジャー



 交流戦で少し足踏みはしたが、エースのメッセンジャーがチームトップの8勝を挙げている。防御率2.69で被打率も.231と先発陣の中でも、その数字は群を抜く。安定感は昨季までとは違うスタイルで確立されている。これまでパワーのある真っすぐで勝負し、三振を奪うスタイルだったが、今季はカットボール、カーブ、チェンジアップなどを駆使し、打たせて取る投球に変更した。これまでのような威圧感はないが安定感は増しており、試合を作る投球で勝率も確実に上げている。

5勝=DeNA・東克樹



 チーム最多勝は5勝(4敗、防御率2.88)をマークする新人・東克樹だ。石田健大今永昇太濱口遥大という先輩サウスポーらの調子が上がらない中、孤軍奮闘が続く。東の最大の武器は150キロを超える真っすぐでも、イニング間にバナナを食べる“もぐもぐタイム”でもない。小柄な体で相手に向っていく闘志にある。印象に残ったのが5月31日の楽天戦(横浜)だ。試合途中で左太腿、右つま先と2度打球が直撃するアクシデントに見舞われながらも、楽天の先発・岸孝之と投げ合った。痛みをこらえながらマウンドに立ち続ける姿は、エースの貫録すら漂わせていた。

5勝=ヤクルト・中尾輝



 先発の勝ち頭はここまで5勝をマークしているブキャナンだが、その数字に肩を並べているのが中継ぎ左腕の中尾輝だ。ここまでの31試合登板は、近藤一樹に次ぐチーム2位タイの数字。中継ぎでここまで勝ち運があるのは終盤の逆転劇が多いためで、中尾は「先発投手の皆さんに申し訳ない」と恐縮するが、1点を争う場面での投入は、首脳陣の信頼にほかならない。防御率2.87と結果でも応えている。勝利の方程式の一角として、今や欠かせぬ存在となっている。

写真=BBM
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