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四番・岡本和真が後半戦を乗り切るカギは?

 

6月26日の広島戦で場外に今季14号本塁打を放つ巨人岡本和真


 開幕からコンスタントに快音を響かせてきた巨人・岡本和真のバットが止まった。6月26日に行われた広島戦(マツダ広島)の第2打席で14号本塁打を放ってから、7月1日の中日戦(ナゴヤドーム)終了まで23打席連続無安打。実に5試合にわたってノーヒットが続いている。しかし、高橋由伸監督は自身が四番に抜擢した若き主砲への信頼を失っていない。

 今季はその岡本の急成長ぶりが際立っている。

 巨人入団の2015年から一軍での出場機会を与えられてきたものの、過去3シーズンの成績は、通算で13安打、1本塁打、6打点。二軍では十分な成績を残す一方で、一軍に昇格すると力を発揮できずにいたが、高橋監督が若返りへ大きく舵を切ったことが転機に。吉川尚輝とともにキャンプから積極起用を受けた岡本は、オープン戦打点王と目に見える形で結果を残し、指揮官の信頼と開幕スタメンの座を力でつかみ取っている。

 開幕しても好調をキープし、6月末日時点で85安打、14本塁打、45打点。打率.310はリーグ8位、本塁打は同6位、打点は同4位と堂々たる成績で、打線をけん引。数字だけを見れば、6月2日のオリックス戦(京セラ)からの四番抜擢(読売巨人軍第89代四番打者)も当然と言えるかもしれない。

「打順とか、あんまり関係ないです。どの打順でもやることは一緒なので」とは岡本の弁。四番のプレッシャーは「感じたことがない」という神経の図太さがいい。もともと巨人ファンではなかったため、チームの、そして巨人の四番の伝統も足かせにはならない。

 事実、今季は六番に始まり、五番、三番と打ったが、打順による成績の差はほとんどなく、14本塁打中5本を四番で打っている。四番デビューとなった6月2日のオリックス戦では2回の第1打席でいきなり左翼席への本塁打だ。

 オールスターにもファン投票で選出されて初出場が決まった。注目度が高まるとともに、これからは他球団のマークが一層きつくなる。では、それらを真っ向から受け止めて、成功するためのカギは何か。「それでも甘いボールは必ず来ます。失投を逃さないこと」と岡本は言う。1試合4打席の中で、どこかで来る失投を確実にとらえる。仮に厳しいボール攻めにあって4四球はむしろ「大歓迎」。ここまで29四球だが、この見極めが大きなポイントとなりそうだ。

文=坂本 匠 写真=BBM
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